沖縄でアウトドアといえば、海を想像する方が多いと思うのですが、沖縄北部のやんばる(山原)はその名のとおり、深い緑溢れる山々に囲まれた長閑な地域。その入り口とも言われている名護岳を登ってみることにしました。
入山前に名護青少年の家にて、入山手続きの際頂いた「動植物観察ガイド」によると、平成25年時点で、208種類以上の植物、50種類の鳥類、162種類の昆虫が確認されていて、沖縄にしかいない固有種も30種存在するということ。
さまざまな生物が命を育む名護岳にいよいよ入山。胸は高鳴ります。
ハイキングコースは整備されていて、なだらかで木陰の中を歩けるので、とても涼しく快適。日差しが強い沖縄では木陰を歩けるというのは大きなポイントです。そして山に入るや否や、大音量の鳴き声の共鳴にただただ驚きました。虫の羽音、鳥の鳴き声、木々の揺れる音・・・次第にひとつづつの音が明確に捉えられるようになり、それぞれの音に耳を傾けるのに夢中になりながら、歩みを進めていきます。
ハイキングコースにはいくつかのルートがあり、行きは涼しそうな沢コースを通るルートを選択しました。
暑くなったらひと休みして、手足を浸すと、非常に気持ち良いです。沖縄の川の水は冷たすぎないので、長く水と戯れることができますよ。
原生林の美しさ、その存在感にはただただ息をのみます。
一億年以上前からあるヒカゲヘゴは、恐竜時代に誕生した、大型シダの生き残りといわれ、時代の移り変わりを見つめ続けてきた圧倒的なその存在に、胸が熱くなります。
何と巨大ワラビのような新芽は食べられるそうです。
沢を抜けると、木の階段のアップダウンが続き、なかなかドラマティックな道程。
ハイキングコースを抜けていよいよ登山道へ。
ここからはかなりワイルドな道。
ひたすらロープの急勾配が続き、登山の醍醐味を思う存分満喫できます。身体はヘトヘトになりながらも、山頂に近付くにつれ心は踊ります。
そして頂上へ。
標高は低いですが、登り切った満足感は今までの登山を遥かに超えました。沖縄での山登りの醍醐味は、山の上から美しい海を眺めながら、海風に吹かれること。イッキに登山の疲れが吹き飛びます。
帰り道もただ下るだけでなく、アップダウンが続き、こんな狭い道も通るのでアドベンチャー感満載です。
亜熱帯の沖縄では日陰でも知らない間にかなり体力を消耗します。特に初夏から秋までの期間はくれぐれもたっぷりの水分補給を忘れずに。
下山後は伊芸SAで購入した田芋ジューシーを頬張りました。
抗菌作用が強い月桃の葉にくるまれているので、長い登山には防腐効果もバッチリで、とても美味しくておススメです。
たくさんの生命に囲まれながら生きていることを、身をもって感じることが出来る名護岳登山。改めて、人間、そして自分という存在をとても小さく感じ、普段の生活でも、他の命をリスペクトする気持ちを強く持つきっかけになると思います。また、一年中あたたかいので冬でも比較的軽装で登山が出来るし、春には日本一早い桜を愛でながらの登山が楽しめますよ。沖縄の山の素晴らしさをぜひ体感してみてくださいね。
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沖縄県立名護青少年の家
http://www.opnyc.jp/