所感

雪と桜を同時に楽しむ。山から都会へ降りる中でリアルに感じた桜の開花前線

うぅ寒いっ!

4月に入ったというのにこの雪景色。オフィスの外へ出ると、羽毛布団を裂いてバタバタさせたようなサイズの大きな雪が舞い、どんどん積もっていきます。前の日は少し暖かったので、春になってきたかな?と思いきや、今日は0℃に逆戻り。

この辺の人たちは用心してゴールデンウィーク手前まで車のスタッドレスタイヤをはき替えませんが、今年もその時期まで待っておいたほうがよさそうです。

富士見町(長野)と東京を毎週行き来する身としては、この時期は東京へ着ていく服装に困ります。富士見駅で特急あずさの到着を待つ間はダウンを着ないと寒いくらいですが、新宿に着くと、今度は無数の人ごみに潰されそうになりながら電車に乗るので暑いくらい。

デニムの下にはいてきた登山用のインナーウェアも、もはや無用の長物です。

春の雪が降る中、東京へ

雪が降った翌朝、東京へ出発。かじかむ手に息をはきかけながら特急に乗り、いつもの席に座り、しばらく窓の外を見ていると、あることに気づきました。
高速で通り過ぎる木々の枝にだんだんピンク色の点が見え始めたと思ったら、どんどん大きくなっていくのです。

「えっ、桜!?」

東京にいる人であれば、「そろそろ咲くころか」という認識でいると思いますが、さっきまで車の窓ガラスから雪を落とす作業をしてきた身としては、あまりのギャップにそれが桜だと分かるまで少し時間がかかりました。

窓の外の雪はいつしか小雨に変わり、点のようだった桜のつぼみも小淵沢を過ぎる頃には徐々に花開き、韮崎を過ぎる頃には満開に近い状態。そして八王子近くに着くころには完全にお花見状態。

高速で走る特急の車窓からの風景なので撮影することが難しく、写真でお伝えできないのが残念ですが、まるで桜の開花を早送りで見ているような気分です。よくニュース番組でも桜の開花前線といった報道がありますが、自分があまり移動していないかぎり桜の開花の動きなんてよく分からないので、どの辺まで迫っているのかよく分かりません。

でもこうやって長距離を移動すると、本当に前線が迫ってきている様がよく分かります。いまは雪景色の八ヶ岳も、桜が咲くまであと2週間程度といったところでしょう。

東京はすっかり春景色

東京へ着いて打ち合わせ先の市ヶ谷へ行くと、満開の桜が待っていました。桜が咲いているだけで暖かく感じるのは不思議なものです。ダウンジャケットを着ている自分が妙に暑苦しく感じてきました。

とはいえ家に着く頃には必需品なので置いて帰るわけにはいきませんが、東京で観ている桜が、もうじき自宅の庭でも咲くのかと思うと、山へ帰るのが楽しくなってきました。

イラストレーション:drwng

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ライター:
津田 賀央

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