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百聞は一見にしかず!山登り好きがトレラン初挑戦『南アルプスマウンテンマラソン』(前編)

こんにちは。
今回から.HYAKKEIに寄稿させて頂きます。猪野正哉と申します。

趣味の山登りが高じて、アウトドアライターになり、山岳誌などで執筆しています。また千葉県内にアウトドアスペース「たき火ヴィレッジ〈いの〉」の運営、管理もしています。
これから体を張って、さまざまな「外遊び」の楽しさや滑稽さを、お伝えできればと思っております。

日本の山でも、このようなシーンが訪れる日は来るのか!?

さっそくですが、私は走ることが嫌いです。
電車に乗り遅れそうなとき、走るぐらいなら迷わず遅刻を選ぶほど(笑)
そのくらい日常生活から走ることを消し去っています。
実は、小中高とサッカー部に所属していたため、「走る=苦しい」のイメージがトラウマのように残っているんです。しかしその時代のシゴキのおかげか、いまでもテントを背負って縦走できるほどの体力があります。

そんなある日、取材で訪れた山梨県にあるアウトドアショップ「SUNDAY」で気になるTシャツを発見。山登りをする人ならピンとくるはずです。

フォトグラファーの藤巻翔さんが撮影した山でのワンシーンを使用したフォトT

ん?と思うかもしれませんが、日本の山ではありえない貴重な瞬間をとらえています。
ハイカー、ランナー、バイカーが同時にすれ違うことは滅多にないのです。
どの世界も同じですが、規制やルール、マナーで山も守られています。それが悪いとは言いませんが、自由に見えて自由でないのが現状です。

また日本人は境界線を引きたがる傾向があり、「ハイカーだから」「トレイルランナーだから」と同じフィールドにいるにもかかわらず、線引きをしています。
そんな私も「ハイカーだから」と走ることを敬遠しています。

しかしこの写真を見たとき、自分の小ささを痛感。

それまで「山を走って、何が楽しいの?」「山の知識もなく、危ない」「狭い山道ですれ違うときも走るなんて」「走ることで、山が壊れる」など、負のイメージしか持っていませんでした。

やってもいないことをとやかく言う自分がイヤになり、百聞は一見にしかず。
意を決して、トレランの大会に出場してみることにしました。

知識とアイテムは自分の武器になる。

サロモン、アークテリクス、スントなど人気アウトドアブランドを扱うアメアスポーツジャパン

まずは情報収集に、アメアスポーツジャパンへ。

走るうえで一番大切なアイテムは、シューズ。
登山を始めたときから「サロモン」を愛用しているので、自分の足に合っていることは実証されています。かつトレランシューズ№1ブランドの「サロモン」なら足を守り、最大限のパフォーマンスを発揮してくれるシューズがあるはずでしょう。

余談ですが、スポーツを始める際の靴選びのコツは、店頭に並んでいる靴をひたすら履いてみることだと言われています。ビジュアル重視になりがちですが、ガチでチャレンジしたいときは、人目も店員の顔色も気にせず、履いてみましょう。

オシャレもスポーツも足もとが大事
(左)サロモン アウトドア セールスチームの佐々木優子さん(右)アメアスポーツジャパンPRの芝崎樹里さん

今回は以前から交流のある芝崎さんにご相談。
「走ること」をかたくなに断ってきた私にも関わらず、快くアドバイスをしていただきました。このお二方も実際にトレランのレースに出場するほどで、佐々木さんは海外のレースにも参加しています。

経験者かつメーカーの方だけあってトレランを熟知しています。

芝崎さん 「コースすべてを走らなければいけないのではなく、登りは歩いても良いんですよ。あくまでも自分のペースで。下り坂を走ることでアドベンチャー感覚になり、より非日常を味わえて、ハイクよりテンションがあがります」

佐々木さん 「トレーニングが必要とされるトレランですが、日常の姿勢を正すことや階段を多用するプチトレーニングだけでも効果的に体が仕上がっていきます。毎日、欠かさずに練習しなくてもトレランをする3週間前ぐらいから徐々にランニングをしたりすれば問題なく走れます。これを持続させていればの話ですが(笑)」

とお二人のコメントは思っていた以上にトレランへのハードルが低く感じます。走る行為のツラさが薄れていく気持ちにもさせてくれました。

しかし私は、1か月後に出場する南アルプスマウンテンマラソン(50キロの部)に練習もせずに挑戦することを心に誓っていました(笑)

健康志向のいま、女性のトレラン人口も増えてきており、アウトドアウエアもファッショナブルに !

ウエアやギアも特徴的で、コンパクトかつ機能性が高く驚きです。ザックを背負って走るのだから、装備は万全にしたいところです。アドバイスを受け、最低限のアイテムを用意します。

山登りもそうですが、ヘッドライト、レインウエア、保険証はマストアイテムです。

(右)ザックに入れ、背負ったままでも給水が可能なハイドレーション

水分を摂らないと熱中症や脱水症状の原因にもなります。喉が渇いたと思う時点で体の水分は足りていないので、こまめに摂取することをオススメします。
山登りの経験から言えることですが、当日に飲むよりも前日に多めに飲んでおくのも良いでしょう。

あとは行動食です。大会などではエイドステーションというものがあって、給水、給食を提供してくれます。しかし、個人的に山を走る際には、行動食は不可欠です。

山登りと同じラインナップを用意。距離や時間、エイドの有無で数量は変えます。

行動中に体力の燃料切れにならないように注意しましょう。アウトドアショップなどでは専用の行動食が販売されています。ドライフルーツなども人気の行動食として持参している人が多いです。
自分に合った行動食を見つけることも大事です。

そして、サロモン様のアドバイスと山での経験をいかしたトレランスタイルがコレです。

初心者とは思えない高速ランナー風に(笑)

新しいアクティビティに挑戦する際、まずはお財布と相談しないといけません。アイテムをトータルで揃えてしまうとそれなりの金額になってしまいます。しかしトレランはザックとシューズがあれば、あとは持っているスポーツウエアなどで代用が効きます。他のアクティビティを既に楽しんでいる方は、初期投資が意外と安く済むかもしれません。

ちなみに私が着用したアイテムの金額は、

ロングスリーブTシャツ:¥7,500
ビーニー:¥3,000
ショートパンツ:¥4,900
ソックス:¥2,000
シューズ(SPEEDCROSS 4):¥15,000
バックパック(SKIN PRO 10 SET):¥17,000
(すべて税抜価格)

季節や天候にもよりますが、走ることで暑くなるので、ランナーは薄着の人が多いです。素足に短パンも良いのですが、スパッツを履くことで足のサポートも得られます。マラソンやジョギングとは違い、山の中を走るので、虫除け対策として長袖もありですね。

そんなこんなでガチで練習もせずに挑んだ、初めてのトレラン。
知識と見た目で、どこまで通用するか、後編へ続きます。


(取材協力)

サロモン
http://www.salomon.com/jp/

SUNDAY
https://www.sundayweb.jp/

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ライター:
猪野 正哉