舞台は、東京都・池尻にある「IID 世田谷ものづくり学校」。
ものづくり由来のこの場で、ガレージブランドをお招きしてそのものづくりの裏側、ストーリーをお客様に知ってもらうべく「世田谷ものづくり’山’学校〜山や自然を楽しむものづくりの最前線」を開催しました。
会場は、ゲストのsunsetclimax・atelierbluebottleのギアでコーディネート。お客様にはお話を聞いてもらいながら、実際にギアを手にとってもらい、よりブランド・ギアのことを知ってもらいます。
受付は.HYAKKEIのアンバサダーの皆様にご協力いただきました。
池尻大橋に店舗を構えるJAM STAND COFFEEのコーヒーを飲みながら、開校です。
第1部は、各ブランドによるフォトセッション。
それぞれ、どんな想いで、どんなプロセスを経てブランドやプロダクトが出来上がり、どんなこだわりがあるかを大いに語っていただきました。
学生時代からの友人同士で立ち上げた、sunsetclimax。それぞれの得意分野を生かし、一つのプロダクトを作り上げていく。MADE IN JAPANやプロダクトの細部にまで徹底的にこだわったプロダクトは、誰が見ても「いいもの」であることが分かります。ゼロから足を使って工場やパートナーを探し、職人と一緒に創り上げる。苦労話も含め、外見では分からないストーリーに心打たれました。
もともとアパレルブランドのデザイナーだったご夫婦二人で立ち上げたatelierbluebottle。良いものを作っても毎年新しいものを出さなければならないアパレル業界に疑問を持ち、趣味でもあったアウトドアにおけるものづくりで、愚直にいいものを作ることを探求されています。最初はお客様だった方とプライベートで仲良くなり、仕事を手伝ってくれたり一緒に山に登りに行かれているエピソードが印象的でした。
出来上がったプロダクトに違いはあれど、両ブランドに共通する想いは、
他では作らないものを作る
自分たちが良いと思ったものを作る
ここまでやるか?というところまで突き詰める
ということ。
ガレージブランドならではのこだわりと、一つ一つのプロダクトにかける思いが伝わる時間でした。
本イベントはアウトドアという視点はもちろんのこと、ものづくりという視点を持ったイベント。第2部では、今後自身でブランドを立ち上げようと考えているお客様から、その先輩でもある両ブランドへの質問や相談なども行われました。
両ブランドからのアドバイスは、とにかく行動すること、そしてスピード。30代以上のお客様が多かった今回のイベント。ものづくりに限らず、自身のキャリアや仕事の参考になるアドバイスをたくさんいただきました。
第3部は、実際にプロダクトに触れながら今後アウトドアで役立つ知識などを両ブランドに伝授していただきました。
sunsetclimaxの浦田さんからは、ブランドの代表作であるタープの美しい張り方。軸になる2本のポールはできるだけテンションをかけがちですが、あえて緩ませ、サイドのポールのテンションをしっかりかけることで美しい稜線を描くことができるなど、シルエットを美しく出すコツをお話いただきました。
atelierbluebottleの辻岡さんからは、パッキングのコツ。今回集まったお客様は登山をされる方が多かったため、次の山行から早速活用できるパッキング術に皆さん集中して聞かれていました。
休憩時間などには、プロダクトを実際に手に取り、ブランドの方々から細かな説明を受けられ、たくさんの方がストーリーを知った上でプロダクトに興味を持っていただいていました。
通常のアウトドア系のイベントでは、出来上がったそのモノにフォーカスされがちです。けれども、その裏には作り手の想いやこだわりが詰まっています。それを知った上で手にするプロダクトには、これまで以上の共感と愛着が生まれ、ユーザーとしての声がまた新しいプロダクトへと昇華されていきます。
今回、すごく印象的な言葉を両ブランドからいただきました。
「ものづくりは僕らだけでしているんじゃない、お客様と一緒にしているんだ」
ユーザーとしての声を聞き、フィードバックを受けることでブランドはより良いものづくりをしていくことができる。アウトドアに活きる良いものづくりは、作り手・使い手関係なくみんなで築き上げていくもの。
このイベントは、そんな場を実現する貴重な場にできたら意義深いものになるのではないかと改めて感じました。
適度な緩さと、ブランドとの独特な近さを保ちつつ、第2回以降はより良いものにしていけたらと思います。
今後の「世田谷ものづくり’山’学校〜山や自然を楽しむものづくりの最前線〜」にご期待下さい。
文:.HYAKKEI編集部 / 写真:小澤彩聖