沖縄県南城市にある秘境「ガンガラーの谷」。今もなお発掘が続き、2万年も前の古代人が住んでいたとの痕跡が残る場所。そんな場所を五感で感じられるツアーに参加してきました。
南城市にある「ガンガラーの谷」。
向かいには沖縄屈指の観光地「おきなわワールド」があるので、沖縄に遊びに来た人なら耳にしたことがあるかもしれません。
今回はこの「ガンガラーの谷」を通じて自然のスケールの大きさと、2万年前にタイムスリップしたような体験をお伝えします。
ガンガラーの谷入り口は鍾乳洞が。
ただならぬ雰囲気を持つこの空間はカフェになっていて、コーヒーや軽食をいただけます。
そんなカフェですが、なんと現在進行系で発掘が続いているんです。最近の大きなトピックとしては、2014年の2月に「約2万年前の地層から貝殻の装飾品や人骨を発見」。日本の歴史を揺るがす発見が続いている場所なのです。
2万年前もここで古代人が暮らしていた。そんなことを考えながら、自然の中を散策できるんですよ。
目の前に発掘場所。そんな異世界を感じつつ、ガンガラーの谷体験は始まります。
ガンガラーの谷入口。いまは完全に森ですが、もともとは洞窟の中。
森の中を進んでいくと、洞窟の天井跡がハッキリ残っている場所に到達します。
数万年前に、なにかしらの原因で天井が崩壊し現在の形に。
2万年前の人骨や装飾品が状態良く残っているのは、この洞窟のおかげ。という説があります。とても環境がよく、住みやすい場所だったようです。
沖縄特有の暖かく過ごしやすい気候もそうですが、この洞窟の存在は古代人の過ごしやすい家として機能していたんですね。
森から洞窟を抜ける川が流れています。森の静けさの音を聞いていたら、川が勢い良く流れる音が交じり合う。鮮やかな緑を見る、匂いを感じるだけではなく、耳でも感じられます。
洞窟内には、男性のシンボルにそっくりな鍾乳洞が。命の誕生や、子どもたちの成長願う神聖な場所として、古くから親しまれているとのこと。ボクもしっかりなでてきました(笑)
奥地には規格外のガジュマル、「大主ガジュマル」がじっと佇んでいます。
あまりのスケールの大きさ、複雑に絡みあう根に、その場にいる人たちは声を失います。
大主ガジュマルが佇んでいる空間は洞窟の天井がポッカリあいた場所。
洞窟の天井が落ち、そこを埋めるように超巨大なガジュマルが育った。順序はよくわからないですが、そういうことなんでしょう。
ガジュマルの垂れ下がっている根。気根と呼ばれるものなのですが、新たな土を求めて動いているのです。生えている場所の栄養が無くなる前に新たな場所に根をつける。このことから、動物のように歩いているみたい。
巨大なガジュマルからとてつもない大きな生命のエネルギーを感じられます。
大主ガジュマルから地面すれすれまで伸びている気根は、10年後、20年後には地面について新たな栄養を得ている姿が想像できます。
現代人と変わらず、暖かく雨をしのげる場所で暮らし、大切な人が亡くなったら埋葬をする。これが2万年前から行われていた。そんなことを思うとロマンチックを通り越して、今自分が置かれている状況や悩みなんてちっぽけに感じてしまいます。
圧倒的スケールで自然と歴史を感じられるガンガラーの谷の見学ツアーは1時間20分。観光と言いつつ軽いハイキング感覚で高低差がある道を歩きます。参加される際は歩きやすい靴、服装など万全の態勢で挑みましょう。
▶︎ガンガラーの谷