わくわくしながら参加してみた所、ウワサの通り「わざわざ足を運びたくなるナイトツアー」だったので、今回はそのレポートと合わせ、魅力をお伝えできればと思います。
甑島は鹿児島県から船で1時間程、東シナ海の甑島列島南部にあるちいさな離島。上甑島(かみこしきしま)、中甑島(なかこしきしま)、下甑島(しもこしきしま)の有人島3島と多数の小規模な無人島からなる島で、昔、ドラマ「Dr.コトー診療所」で一躍有名になった島です。今回ナイトツアーが行われる中甑島は、春先はオフシーズンのため観光客も少なく、穏やかな空気が流れていました。
昼間はのんびり明るい、こんな雰囲気なのですが……
街灯が多くない島なので、場所によっては夜、真っ暗になります。これは満点の星空も期待できそうですよね。
陽が落ち、島全体が夜のベールに包まれる夜20:00頃。いよいよナイトツアーのはじまりです。
案内してくれるのは、齊藤 智顕(さいとう ともあき)さん。神職をする傍ら、島のガイドを勤めています。ナイトツアー以外にもシーカヤック体験やジェルキャンドル作りなど、さまざまなアクティビティを展開中。
甑島のナイトツアープログラム▼
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まずは車に乗って齊藤さんの工房へ向かいます。
そこで見せていただいたのは、齊藤さん自身が自ら海辺を歩き、約33年間集め続けた漂流物たちでした。
日本にはない植物や、海の深い深い場所に住んでいる生物たちの化石。ズラリズラリと出てくる出てくる……。
沖縄の西表島にしか棲息していないヤシや、古い靴をびっしりと包み込むふじつぼたち。
中には何万年前に絶滅した貝の殻も流れ着くんだとか。
そして何と言っても驚いたのは、ウミガメ(左)とリクガメ(右)の甲羅! 綺麗な形で海に流れ着いたものの、ウミガメの甲羅は飼い犬にかじられて破損してしまったんだそう(笑)骨をまじまじ見るのは初めてだったのですが、海と陸でここまで甲羅の作りが違うのには、驚きでした。
「甑島には、全く性質の異なる3つの池があったり、海岸が砂ではなく荒い水流で削られた丸い石で出来ていたりと、何かと神秘的な島なんです」と齊藤さん。こうしてさまざまな珍しいものが流れ着くのも、甑島の周りの海流が他と異なっているからなんだとか。今まであまり知らなかった甑島とぐっと距離が縮まったような、そんな気持ちになりました。
神秘的な漂流物と海のお話に癒されたあとは、ちいさなライトを持って星を見に出かけます。街灯のないあの真っ暗な道を、このライトひとつで歩けるか不安だったのですが……
この日外に出てみると、夜空を明るく照らす大きなお月様が出ていました。手元もしっかりと照らしてくれたため、ライトがなくとも問題なく歩けるレベルでひと安心。辺りは風の音と、虫の声しか聴こえません。
*写真提供・・・「こしきツアーズ」
少し歩いてやってきたのは、甑島の絶景ポイント「長目の浜」。19代薩摩(さつま)藩主島津久光があまりの美しさに「眺めの浜」と呼んだことから名付けられた場所なんだとか。ここで椅子に寝そべって、星を眺めます。
*写真提供・・・「こしきツアーズ」
海に向かって足を投げ出し、フルフラットになる椅子に寝そべってみると、目の前には溢れんばかりの星空が広がります。星座の話に耳を傾けながら、時折流れる流れ星を目で追ってみたりと、心がリラックスしていきます。
特製のハーブティもいただきました。この日はオレンジとカモミールのハーブティ。すこし冷えた体にホッと染み渡りました。
星を眺めながら聴こえてくる海の音に、先程の「漂流物」の話を重ね合わせてみると、なんだか自分自身が島に受け入れてもらったような、不思議な気持ちになりました。
島を散歩したり、星を見たりするだけのツアーはよく聞きますが、「漂流物からその島の本質に触れる」ことの出来るナイトツアーは、珍しいのではないでしょうか。
島の部外者でありながら、何だか島の秘密を知ってしまったような、とてもわくわくドキドキする体験でした。
満点の星空も美しくて、これだけでもわざわざこのために足を運んでも良いなと思うくらい、とにかく満足度の高いツアーでした。
ぜひ「最近、心からワクワクしてないな」「癒されてないな」という方、甑島ナイトツアーに足を運んでみてください。
ツアー詳細▼
《参加料金》
1名:3,000円(保険料込み)※送迎込み
《参加人数》
8名まで
《対象》
小学生以上。未成年者は保護者同伴
《催行基準》
雨天は中止。(曇天時は要相談)
《運営》
「こしきツアーズ」
詳しくはコチラから。
それでは、また!