世界的ソールブランドVibramが、プロ登山家・江本悠滋氏と契約。未踏の挑戦に向け、TEAM VIBRAMとして共創をスタート。
ヴィブラムジャパン株式会社は、国際山岳ガイド・江本悠滋氏とのアスリート契約を2025年6月21日付で締結したと発表した。江本氏は、IFMGA(国際山岳ガイド連盟)認定ガイドとしてヒマラヤやアルプスを舞台に活動するプロフェッショナル。その一方で、登山教育や環境保全にも積極的に関わり、「これからの登山のあり方」を提案し続けている。
今回の契約は、単なる製品提供ではない。江本氏の現在の挑戦──K2(8,611m)の無酸素・自力登頂と、パラグライダーでの滑空下山という前人未到のプロジェクト──を、TEAM VIBRAMの一員として支援していくという共創的な取り組みだ。
Vibramが2011年から展開する「TEAM VIBRAM」は、競技成績だけでなく、アウトドアの現場で語られるリアルな声や価値観を重視する国際的なアスリートコミュニティ。江本氏のスタイル──サポートや酸素ボンベに頼らず、判断と行動のすべてを自らで担う“自立型登山”──は、この思想と強く共鳴している。
彼の挑戦は、アスリート個人の冒険にとどまらず、TEAM VIBRAM全体にとっての学びや刺激にもなる。ヴィブラムジャパンは、こうした共創を通じて、登山というアクティビティの価値そのものを再考し、次の世代に届けようとしている。
高性能なソールは、単なるスペックではない。それは、過酷な状況下で「生きて戻る」ことを可能にする、登山家の思想を体現するパーツでもある。
江本氏が着用するMillet EVEREST SUMMIT GORE-TEXには、Vibramの軽量ソール「8303 Betulla」と、高所岩場用の「XS GRIP」ゾーンが採用されている。性能はもちろん、どんな登り方を選ぶか──その選択にこそ、この技術の意味がある。
プロダクトとフィロソフィーが交わるとき、道具はただの装備を超え、「登山の未来」にまで踏み込んでいく。
国際山岳ガイド / アドベンチャーアスリート
1976年12月24日生まれ・愛知県名古屋市出身。長野県白馬村およびフランス・アヌシー在住。
■経歴・資格
・幼少より競技スキーに打ち込み、高校時代に単身フランス留学。
・アルペンスキーレーサーとしてFISレース等に出場後、フランス国立スキー登山学校(ENSA)に進学。
・日本人唯一のフランス国家山岳ガイド資格保持者(2002年取得)
・UIAGM国際山岳ガイド
・フランス国家スキー指導員
・フランス国家パラグライダー指導員
■主な活動
・ヨーロッパアルプス・ヒマラヤ・日本アルプスなどでの登山、バックカントリーガイド
・パラグライダーを組み合わせた人力縦断、山岳アドベンチャーにも挑戦
■代表的な挑戦・実績
・2005年バフィン島 NHK 北極圏の大岩壁へ出演
・2023年:Red Bull X-Alps 完走
・2025年:K2(8611m)無酸素登頂&パラグライダー滑空下山プロジェクトに挑戦中
・フリークライミング最高グレード:8b+/5.14a
・アイスクライミング M12
■モットー・活動理念
「地球と遊ぶ」自然の厳しさと美しさのなかで、人間の可能性と限界を試す冒険を通じて、アウトドアの新しい価値観を発信し続ける。