登山をライフワークとする佐々木俊尚氏が、山岳捜索サービス「ココヘリ」の公式アンバサダーに就任。安全登山の文化を伝える活動に参画。
テクノロジーと社会課題の橋渡しを続けてきた文筆家・佐々木俊尚氏が、山岳捜索サービス「ココヘリ」の公式アンバサダーに就任した。運営するAUTHENTIC JAPANは、これまでも登山の安全啓発に取り組んできたが、今回は“伝える力”を持つ人との協働によって、その輪をさらに広げようとしている。
ココヘリは、専用発信機とヘリ・ドローンによる電波追跡で遭難者の位置を特定する会員制サービス。通信圏外の山域でも迅速な捜索を可能にし、いまや会員数は17万人を超える。
佐々木氏は、登山歴40年超のベテランでもある。学生時代から山に親しみ、一時は本格登山から離れていたが、仲間とともに「山頂を目指さない登山=フラット登山」という新たなスタイルを確立。気持ちよく歩くこと自体に価値を見出すアプローチは、自然をより長く楽しむための哲学でもある。
そんな彼にとって、「安心して山を歩ける社会」を目指すココヘリの思想は、まさに共鳴するものだった。
登山におけるリスクはゼロにならない。だが、テクノロジーと仕組みが支えることで、私たちは山との向き合い方をアップデートできる時代にいる。
今回のアンバサダー就任は、「安全を義務ではなく責任に」というココヘリの姿勢を、より広く伝えていくためのステップでもある。安心があるからこそ、人は山で自由になれる——その価値観が、静かに社会へと浸透していくのかもしれない。