速報

A&Fがトレイル整備事業を開始

アウトドア用品の輸入販売を手がける株式会社エイアンドエフが2025年6月に新たに「トレイル整備事業」を立ち上げた。全国の自治体やキャンプ場、スキーリゾートなどを対象に、マウンテンバイクコースやバイクパークの設計・施工から登山道・ハイキングトレイルの整備まで、多岐にわたるフィールド整備サービスを提供する。地方創生や地域資源の活性化を視野に入れ、国内外で豊富な実績をもつトレイルビルダーを事業長に迎え、質の高いサービス展開を目指すという。

トレイル整備事業の狙いと概要

エイアンドエフが新規事業として本格参入する「トレイル整備事業」は、近年のアウトドアおよびアーバンスポーツ需要の高まりに応じ、既存のアウトドアアクティビティに加えて地域に根ざした新たなレクリエーションフィールドを創出することを狙いとしている。企業側は、全国の自治体やレジャー施設と連携し、以下のようなサービスを提供することで、地域の交流人口拡大や経済活性化につなげたい考えだ。

マウンテンバイクコース/バイクパーク設計・施工・監修・運営管理
スキー場のオフシーズン活用や公園再整備による地域活性化をはじめ、適切な維持管理が行われていない森林空間への新たな価値提供など、多様なニーズに応じてマウンテンバイクコースやバイクパークのプランニングから施工、運営管理まで一貫してサポートする。施設規模や立地条件に合わせたコンサルティングを行い、企画段階から利用者目線に立った設計を行うことが特徴だ。

アスファルトパンプトラック設計・施工・監修
世界最大手のパンプトラック企業であるVelosolutions社(スイス)と日本国内エージェント契約を結び、同社の技術ライセンスを活用したアスファルトパンプトラックを全国の公園や河川敷、高架下といった遊休地で設計・施工・監修する。完成後はマウンテンバイクだけでなく、BMX、スケートボード、キックボード、ローラースケートなど、多岐にわたるユーザー層が楽しめる施設として地域の新たな交流拠点を目指す。

登山道・ハイキングトレイルの整備・設計・施工・監修
自然環境への影響を抑えつつ、安全かつ持続可能なトレイルネットワークを構築するため、設計から施工、定期的な修繕や維持管理を含むトータルプロジェクトを手がける。地形や季節ごとの植生復元を考慮しながら、水はけや土砂流出を防ぐ施工を行うことで、長期的に安定したトレイル環境を整備していく。

各サービスは、地域の特性や施設の目的に合わせてカスタマイズ可能。たとえば、スキー場の夏季活用プランとしてマウンテンバイクコースを整備することでオフシーズンの集客を図るほか、自治体との協働で公園内にパンプトラックを配置し、子どもから高齢者までが気軽に遊べる運動スポットを提供するなど、用途は多岐にわたる。

事業長に浦島悠太氏が就任

新規事業の事業長には、トレイルビルダーとして国内外で豊富な実績をもつ浦島悠太氏(旧 TRAIL LAB)が就任した。浦島氏は以下のような経歴を持ち、トレイル整備のプロフェッショナルとして知られている。

  1. アメリカ
    国立公園、国定公園、州立公園にて、登山およびマウンテンバイク向けトレイル整備に従事し、自然環境を保全しながら利用者の安全性を兼ね備えたトレイル構築を実践。
  2. オーストラリア
    タスマニア州タスマン国立公園のロングトレイル建設プロジェクト「Three Capes Track」、同州ダービーの「Blue Derby」マウンテンバイクトレイル建設プロジェクトに携わり、環境や地形条件に配慮しつつ観光資源としての価値向上を実現した。
  3. ニュージーランド
    クライストチャーチ市の「Christchurch Adventure Park」建設チームに参加し、南半球最大規模のバイクパークの立ち上げに貢献。さらに、マウンテンバイクの祭典「Crankworx Rotorua」ではトレイルクルーとしてコース整備を担当し、世界レベルのトレイルに関わる経験を積んだ。
  4. 日本国内
    長野県諏訪郡富士見町の「富士見パノラマリゾート」マウンテンバイクパークではコースプロデュースを担当。静岡県伊豆市の「サイクルスポーツセンター」では世界大会コース整備のアドバイザーを務め、神奈川県小田原市「フォレストバイク」ではコースプロデュースを行うなど、多くの国内プロジェクトを手がけている。

浦島氏の就任により、エイアンドエフのトレイル整備事業は質の高い施工と、自然環境への配慮を両立したサービス提供が期待される。特に、国内外の先進事例を学んだノウハウを日本各地に応用することで、地域ごとのニーズに即した最適な整備プランを策定できるという。

トレイル整備事業の今後

エイアンドエフでは、公式ウェブサイトに専用ページを開設し、プロジェクト事例やサービス詳細、問い合わせ窓口を公開中だ。ホームページでは、マウンテンバイクコースやパンプトラック、登山道整備の事例紹介や参考プランが掲載されており、見積もりや相談依頼を行いやすいようになっている。

なお、同社は既にいくつかの自治体や施設とプロジェクト協議を開始しており、今後数ヶ月以内に具体的な施工案件が動き出す見込みだ。特に、地方部での観光資源開発や都市部でのアーバンスポーツスペース創出など、多彩なプロジェクトが予定されている。

質の高いトレイル整備ノウハウと、地域・目的に応じたカスタマイズ提案を武器に、A&Fのトレイル整備事業は今後ますます注目を集めそうだ。

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ライター:
.HYAKKEI編集部
タグ: A&F

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