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新しいR1は抜け感特化 パタゴニア / メンズ・R1 ジャケット|町田直哉のGEAR REVIEW Vol.006

ハイカーの町田が山道具を使ってレポートする連載。その機能やフィールドでの使用感を確認し、その特徴を余すことなくレポートします。今回はパタゴニアの「メンズ・R1 ジャケット」を紹介します。

春の温かい陽気の日も増えてきた2025年4月。長かった冬も終え、みなさん衣替えを済ませていっている頃でしょうか?

そんな前置きはさておき、今回ご紹介するのはパタゴニアの「メンズ・R1 ジャケット」。R1は山をやっている皆さんにはなじみ深いかと思いますが、今年アップデートがありました。そんなにびっくりするようなアップデートではないですが、山をやる皆さんにとってはボディブローのようにじわじわ恩恵が得られるアップデートです。

メンズ・R1 ジャケットとは?

パタゴニアの「Rシリーズ」は、1990年代後半に誕生した、アクティブな動きに対応するテクニカルレイヤーシリーズです。シリーズ名の「R」は「Regulator(レギュレーター)」の頭文字であり、体温調整を最適にサポートするために設計されています。

Rシリーズには「R」の刺繍が入っています。

初代モデルが登場したのは1999年です。このときリリースされた「R1」は、軽量で高い通気性を持ちながら、適度な保温性を兼ね備えており、登山やクライミングといったアクティビティに最適なミドルレイヤーとして、多くの登山者に衝撃を与えました。特に、汗をかいてもドライ感を保てる快適さと、動きやすいフィット感が高く評価されました。

その後、「R2」「R3」「R4」と続き、それぞれ異なる保温レベルと用途に合わせた展開がされてきました。
各モデルは時代に合わせて生地やフィット感をアップデートしており環境配慮への取り組みも進めています。リサイクル素材や、ブルーサイン認証を取得したりするなど、機能性だけでなく地球環境への配慮も大きな特徴となっています。

今回紹介する「R1」は、発売以来何度もリニューアルを重ねながらも基本的なコンセプトを大切に守り続けており、2025年には通気性と動きやすさをさらに高めたモデルへと進化しました。

メインの素材は「ポーラテック・パワー・グリッド」

最大の変更点は、従来モデルで使用されていた『ポーラテック・パワー・グリッド』生地に加え、ウェアの抜け感を左右するパネルに『キャプリーン・サーマルウェイト』生地を取り入れたことです。この素材は通気性・保温性・伸縮性のバランスに優れており、「R1ジャケット」では腕の可動域や蒸れが気になるサイド・脇下部分に配置されています。その結果、動きやすさと通気性がさらに向上しました。

抜け感が欲しい部分に「キャプリーン・サーマルウェイト」を配置

ベースの生地は従来通り、適度な保温性と通気性を兼ね備えたポーラテック・パワー・グリッドを使用しています。そのため、ドライな着心地など従来モデルで好評だった基本性能は、しっかりと受け継がれています。

いざフィールドへ

かれこれ1か月ほど、撮影での登山や日常使いで使用していましたが、執筆前に私のホームマウンテンである比叡山で試してみました。

4月らしい暖かい陽気の日で気温はおよそ14時で13度ほど。ハイクアップではさすがに汗ばむくらいの気温でしたが、特に着脱なくとも気にならないくらいの抜けの良さでキャプリーン・サーマルウェイトの影響を感じます。

ありがたいのは、発汗の多い背面や脇下にキャプリーン・サーマルウェイトをパネリングしてくれているのでフルジップの状態でもぬけの良さを実感できますし、ジップを下げるとより抜けの良い状態を作り出すことができます。

「キャプリーン・サーマルウェイト」はグリッドが細かく、隙間が広い。

また汗でぬれても、化繊の保水しづらい特徴により渇きも早いです。グリッドフリースで汗の冷たさも感じづらいのはRシリーズすべてに言える魅力でもありますがR1でも同じことが言えます。

個人的にうれしいのは首ものとグリッドフリース。発汗時の影響を受けやすい場所までグリッドフリースなのはありがたい

また夜のランニングでもたびたび着用していますが、

バランスの良い行動着として1着おすすめします。

毎年、様々な行動着は出てきていますが、ここ1・2年は特にULブームもあって玄人好みの行動着が人気の傾向かと思います。いわゆる耐久性をそっちのけで、軽さに振り切ったものです。ただ岩場や樹林帯など思わぬところでウェアはダメージを食らってしまうものなので個人的にはある程度耐久性を見ておいたほうがいいと思っています。結果そちらのほうがコスパがよくなりますので。

特にダメージを受けやすい手元の部分。

そういう意味でいうと、R1然りグリッドフリース状のアイテムは表地の耐久性も強いのでファーストチョイスにはお勧めしたいアイテムです。

今年の登山シーズンも楽しんでいきましょう!

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ライター:
.HYAKKEI編集部 町田