こんにちは。.HYAKKEI・3度目の登場になるオートパッカーのイナガキです。
今回はわたしが山歩きや風景写真撮影、あるいは史跡や秘湯を訪ねる旅にも使用しているキャンピングカーのお話です。
先日、愛車の整備でディーラーさんを訪ねた際に、社長から興味深い話を耳にしました。
それは最近アウトドアが趣味という人達から、標準ボディー(ナローボディー)のハイエース・キャンパーに関する問い合わせが増えているという情報です。
実は日本のキャンピングカーの主流は、同じハイエースでも「スーパーロング・ワイドボディー」をベースにする大型モデルで、工務店などがよく使っている、「標準ボディー」の車両をベースに作られたキャンピングカーの「定番」は、わたしが乗るアネックス社のWizくらいしか見当たりません。
実在している標準ボディーのキャンピングカーは、大半が「カスタム」モデル(半オーダーメイド車)であるため、カタログやモデル名が存在せず、インターネットで検索できても、実際の購入まで駒を進められるケースは少ないようです。
キャンピングカーと聞くと、シャワーやトイレまで装備された「モーターホーム」を連想される方があるかもしれませんが、そういう大型の車両は、ワインディングロードの先にフィールドがあることの多い日本のアウトドア・シーンには現実的に適合しません。そのため、風景や野生動物の撮影機会が多い筆者は、標準ボディーをベースに作られたキャンピングカーに乗っているのです。
機材の運搬や寝るだけの機能しかなくても、使用目的がキャンプであるなら、わたしはナンバープレートの種類にかかわらず、それらは全てキャンピングカーだと思っています。元々そういうクルマに乗り続けてきたので、フル装備である必要性をさほど強くは感じていませんでした。
しかし50代になると、意識が少し変わってきました。それは否応なしに訪れる体力の低下を、何でカバーするかという課題に迫られるからです。
例えば、山から降りてテントサイトに戻り、コッヘルでご飯を炊く。若い頃は苦にも思わなかった簡単な作業が、歳を重ねるにつれて億劫になり、温かくて品数も多い定食メニューが食べられる小屋に近いテン場を探すようになる。
軽装備のキャンピングカーから、フル装備のキャンピングカーに乗り換えるというのは、それに近いイメージかもしれません。
ちなみに現代のフル装備のキャンピングカーには、ソーラー発電と電子レンジまで使える大容量のサブバッテリー、冷蔵庫、換気扇、さらにエンジンを切ったまま車内を暖房できるFFヒーターが搭載されています。
歳に関係なく、疲れきっている時の望みは、空腹を解消して一刻も早く横になって眠りに落ちることだと思います。わたしがキャンピングカーに求めたいと思っていたのは、ゴージャスさはなくても頑丈で必要なライフラインが揃った、まさに「山小屋」のような後方支援機能でした。
今、わたしはキャンピングカーの中でこの記事を書いていますが、2013年には丸二ヶ月間北海道に滞在して、「北海道車中泊コースガイド」という本を書き上げました。
スマートフォンの劇的な進化のおかげで通信環境が大幅に向上し、今はどこにいてもノートパソコンを使った執筆の仕事ができるのですが、先ほど書いた大容量の電気、広いテーブルと座り心地の良い椅子、またいつでもコーヒーを沸かしたり、ちゃんとした食事が作れるキッチンがあるキャンピングカーは、全天候性の移動型フィールドオフィスにもなり得ます。
このように、現代はキャンピングカーをうまく活用すれば、フィールドでできることが果てしなく広がる時代です。
今後エンジン開発が進み、ハイエースにもハイブリッドエンジンが搭載されれば、気になる環境面にも大きな進歩がもたらされることでしょう。その日が待ち遠しいですね。