北海道にある知床半島は世界でも有数の熊の生息地。そんな知床半島には日本百名山の山が2つあり、登山に出かける前に熊に対する対策や準備が必要になってきます。バンライフで日本百名山制覇を目指す2人の大学生が、実際に山で熊に遭遇した体験やどのように対処したのかなどをご紹介していきます。
北海道全土に熊は生息していると推定されており、道内で最も熊と遭遇する可能性が高いエリアが知床半島と言われています。それは、熊が生息するエリアの狭さが理由です。長さ約70km、幅約20kmの知床半島には約500頭の熊が生息していると推定されています。そのため、他の地域に比べて熊の生息密度が高く、世界的にも有名な場所となっているのです。
北海道に生息する熊の種類はヒグマです。日本に生息する熊の種類はヒグマとツキノワグマで、ヒグマは北海道に、ツキノワグマは本州の東北エリアに多く生息しています。熊の性格や生態の実態は地域によって大きく変わり、知床半島では、熊による人身事故は1986年以降1回しか起きていません。
熊は基本的に草食です。川で鮭を取る熊をイメージする方がいるかもしれませんが、鮭が取れる時期は限定的で、基本的には木の実や昆虫などを食べているのです。
熊スプレーは1本でも高価なうえ、使用頻度も少ないといった理由で購入をためらう方も多いと思います。しかし、熊スプレーはレンタルでも利用でき、知床半島では知床自然センターで1日1000円で借りることができます。熊スプレーはトウガラシを含む熊が嫌がる成分を多く含んでいるため、万一のために用意するのを強くおすすめします。また、熊鈴は人間の居場所を伝える重要な装備なので、熊と出くわさないための準備もしておきましょう。
私たちが熊と遭遇したのは、羅臼岳にある岩尾別登山口から20分程の場所です。時刻は午後4時過ぎの下山中の出来事で、20mほど上の斜面から見下ろされるような形で発見しました。知床自然センターで熊スプレーをレンタルしていたため、熊スプレーを手に取りゆっくりと後ずさりして、なんとか下山することができました。
熊は本能的に獲物を追いかける習性があるため、熊が見えても驚いて逃げるのはNGとされています。また、熊は時速60kmで走ることができるため、走って逃げ切ることは不可能に近いです。
熊の突進の多くは、威嚇突進行動(ブラフチャージ)と呼ばれるものです。熊は突進しても途中で止まり後退することも多くあるため、それまでに熊スプレーを発射する準備が必要です。熊を興奮させないためにも、大きな声で叫ばず、穏やかに声をかけながらその場を離れましょう。また、子連れの熊に遭遇した場合、母熊が守ろうと攻撃する可能性があるため、さらに警戒が必要です。
知床半島に住む熊の多くは、人間との共存に成功していると感じました。熊の出現頻度が多いからこそ、正しい知識を共有する知床自然センターがあり、レンタル熊スプレーなどを通じて、熊に対する正しい対処方法を分かりやすく案内してくれます。
「人間が熊の生息域にお邪魔している」
知床自然センターの方のこの言葉を忘れず、熊と人間が共存するためにも正しい知識を身に着け、登山に向かいましょう!
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