車を移住空間として生活するバンライフスタイルで、1年以内に日本百名山制覇を目指す2人の大学生。今回の登山先は北海道日高山脈の最高峰「幌尻岳」。百名山の中で一番山頂に遠い山と知られている幌尻岳の登山ルートの紹介や、日帰り山行レポート周辺情報などをご紹介していきます!
幌尻岳は(標高2053m)日高山脈の主峰にあたる山でアイヌ語でポロシリは「大きな山」という意味に当たります。その名の通り幌尻岳は縦走で登る登山者も多く、広大な山脈からなる山頂からの景色では北海道の山々を360度見渡すことができます。幌尻岳を登るのコースがいくつかありますが、どれも長距離かつ沢渡りの場所などがあるため技術・経験が必要な上級者向けの山です。
一般的には一泊二日や二泊三日で下山できますが、健脚者の方は日帰りでも可能です。日帰りのタイムスケジュールや詳細などについては実際の日帰りレポートで確認できます。
こちらのコースは沢渡りの頻度が少なく、前日の天候にも比較的左右されずに登ることができます。沢渡りの頻度は少ないですが、登山口のある新冠幌尻山荘まで片道18kmの道路を歩かないといけません。そのため、1日目は幌尻山荘で一泊してから翌日山頂を目指し、2日目に一気に下山するというのが一般的な流れとなっています。
また、場合によっては藪漕ぎする箇所が続くときもあるため、夏でも長ズボンの着用が必要の他、途中からは一気に標高を上げながら山頂に向かうことになりますので覚悟しておきましょう!
・増水の危険性がありますので、連日の大雨が降った翌日に行くのは控えましょう。
こちらのコースは距離が25kmと長距離ですが沢渡りの頻度が少なく、健脚者の方は日帰りでも挑戦できるようなコースです。沢渡りの状態は雨によって増水されるのが予想されるため、当日の天候だけでなく当日までの天気を考慮して登山に向かいましょう。また、テント泊できる場所は、北戸蔦別岳頂上や戸蔦別岳頂上などにあり風が強いこともあるので注意しましょう。
次は、新冠コース日帰りで40kmを踏破した実際の山行レポートをご紹介していきます。
ここからは実際にイケダとコスギの山行を写真とともにお届けします。幌尻岳は距離が長い上、無数の渡渉スポットがある山で有名ですが、今回は渡渉ポイントが少ない新冠陽気ルートの全貌をお届けします。
午前3時、イドンナップ山荘から登山を開始します。イドンナップ山荘までの林道は40kmあり、かなり路面が悪いためスピードを落としゆっくりと運転することをオススメします。
イドンナップ山荘から800mほど歩くとゲートがあり、わきの隙間から林道へ入ります。ここから18kmの林道歩きがスタートです。車が通れるほどの林道を歩きますが、起伏が激しくかなり体力を消耗してしまう恐れがあるため無理をしない程度に進んでいきました。
林道を4分の1ほど進んだところでいこい橋のゲートをくぐり林道を歩き続けます。
基本的に幅の広い砂利道を進んでいきます。ところどころ地面が崩落しているところもあるので注意しましょう!イドンナップ山荘から登山口であるポロシリ山荘までは標高差300mほど上がります。
イドンナップ山荘から約3時間でポロシリ山荘に到着です。一泊以上する方はここで泊まること可能(要予約)なので無理をせず登山を楽しみましょう。ポロシリ山荘左側にある登山道から本格的な登山が始まります。
新冠陽気ルートは渡渉が少ないといえど数回渡渉スポットがあります。水量がそれほど多くない日だと飛び石で難なく渡ることができます。
地獄の藪漕ぎの始まりです。自分たちの背の高さまである藪をかき分けながら登っていきます。途中まで藪を切ってくれていたので快適に歩くことができましたが、大きな川沿いを過ぎたあたりから藪漕ぎが始まります。
藪漕ぎが始まってからはしばらく急登が続きます。藪漕ぎで体力が失われるとともに、急登を登らないといけないのでかなりの体力を要します。
ポロシリ山荘から1時間30分ほどで中間地点の看板が見えてきます。ここからさらに急登になり、体力の消耗が激しくなっていきます。
藪漕ぎをしながら急登を登ると、大きな川が見えてきます。ここを飛び石でトラバースして進みます。この川のトラバースが終わると視界が開け日高山脈の絶景に圧倒されます。
トラバースが終わっても急登は続きます。山頂を見上げることができますが近そうで遠い距離。一歩一歩噛み締めて登っていきます。
振り返ると日高山脈の大自然に圧倒されます。雄大な大地をこれほどまで身近に感じられるこの山は最高の登山になること間違いなし!
直登が終わり、この日のビクトリーロードへ。林道18km、藪漕ぎ、直登と数々の難所をくぐり抜けてきただけあって達成感が段違い。東側からの風が強く、体も冷えるのでウェアの着脱は欠かさずに。
イドンナップ山荘からちょうど6時間で、ついに幌尻岳山頂に到着です。林道18km、藪漕ぎ、急登と難所続きの幌尻岳でしたが、山頂からの景色、そして達成感は群を抜くものがありました。
山頂からは日高山脈の美しい稜線を独り占めすることができます。また、北側には大雪山、西側には夕張山脈など道中の山々をも見渡せます。
※コースタイムには個人差があります。
イドンナップ山荘(3:00)
いこい橋(3:49)
ポロシリ山荘(6:00)
大岩(8:50)
幌尻岳山頂(9:18)
【額平川コースをご利用の方】
・シャトルバス停留所(第二ゲート)
・幌尻山荘
※2つともバイオトイレ
新冠コースにはトイレはありませんので近くのコンビニなどで済ましておきましょう。また、山行が長いため必ず携帯用トイレの持参も必須です。
今回は、新冠ルートを日帰りで登山してきました。コースタイムが長く、かなりの体力を要するものの、山頂からの景色は行った人にしかわからない絶景と達成感がありました。北海道一押しの山かもしれません!
次なる山は福島県に位置する「会津駒ケ岳」。会津駒ケ岳は新・花の百名山にも選定されており、たくさんの高山植物を見ながら登山を楽しむことができます。また、縦走のルートも充実しているため多種多様な楽しみ方をできることで有名です。次回で東北編が終了し、南・中央アルプスへとバンを走らせていきます!次回もお楽しみに!
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