こんにちは!.HYAKKEIライターの佐久間亮介です。今回は、日本でも有数の活火山「浅間山」の東に位置する標高1,655mの「小浅間山」に登り、火山や浅間周辺の自然について学んできました。浅間高原の自然をガイドしているあさまスノーパラダイス(アスパラ)の冬山トレッキングツアーですので、登山に慣れていない人や家族でも参加できます。
まずは登山者全員分の登山届けを記入しましょう。他のお客様に同行させて頂きましたので、私含め、人数分を記入します。
今回登る小浅間山の西に位置する浅間山は活火山で噴火警戒レベルは2。入山した1月17日現在、浅間山火口から2km圏内は入山禁止ですが、小浅間山山頂は含まれませんので登ることができます。
今回、このツアーに参加した目的は冬山を楽しむということと火山について知ることです。上述したように浅間山は活火山で、登山口のすぐ近くに地層を見ることができる場所があります。
「浅間山は数百年に1度の周期で噴火をする活火山。土の上に火山灰、そしてまた土が積み重なっています」
そう説明してくださったのはガイドの飯塚さん。自然解説を行うインタープリターの資格をお持ちの方です。
「土は1年間でおよそ1ミリ積もると言われていますが、この地層は約240年前に起こった天明の大噴火の甚大さを表す地層です。地層上部の茶色の部分は土ですが、その下、約1m強積み重なっている部分は、なんとすべて天明の大噴火の時、1日で降り注いだ火山灰なのです」
こちらは火山灰の一部。非常に軽い軽石のようでした。
長野県や北海道に多く分布している白樺と岳樺。漢字の通り、皮が白い方が白樺で少し赤みを帯びている方が岳樺です。この写真の岳樺は少しおもしろい形をしてました。
どちらも皮の燃焼性が高いため、着火剤として使われることがあるのです。自然の着火剤ですね!
(※ただし、国立公園内は採取禁止のため、剥がしたり持ち帰ったりすることはできません)
上述したようにこの辺りの地層は表面から約25cm下が火山灰になってます。そのため、白樺や岳樺などの木々は下へ根をはっていくのではなく、横へ横へと根をはっているそうです。自然もその土地によって変化していくのですね。
こちらは通称あっかんべーの岳樺。まだそれほど背の高く無い時に標識を巻きつけておいたものが長い年月が経って樹木の中に食い込まれてしまったもの。
人間が傷を負った時にかさぶたになって治していくように、木も自らの力で治癒していくんだそうです。
火山や自然の話を聞いているうちに頂上が見えるところまで来ました。
今までの林道はそれほど傾斜もなく歩きやすかったのですが、山頂へと向かう道は傾斜が厳しく太ももやお尻の筋肉が刺激されていきます。
ようやく登頂!雪深い軽井沢でも今年は全国各地同様に雪不足でした。左手に見えるのが軽井沢のスキー場ですが、長野県の山々は雪化粧してませんでした。
小浅間山から見る浅間山を撮影中。この日はわずかに火口付近から噴煙が上がっていましたが、特段心配するようなことでもないそうです。
いかがだったでしょうか。今でこそ、こうしてアウトドアを伝えるライターをやらせて頂いている私ですが、実は東京生まれ東京育ち。火山灰の地層や木も自然に治癒していくという話を聞いてとても感激しました。自然も人間と一緒でその土地や環境によって変化・対応していくのですね。いや、むしろ人間が自然に対応して変化していくべきなのかもしれません。
「人は自然に逆らえない」
以前、あさまスノーパラダイスを運営する会社の代表の方に言われ、ハッとした一言でした。
浅間山などの活火山周辺は火山、海沿いは津波、川に隣接する場合は洪水など、人は自然の猛威の前では、手も足も出ません。しかし、頭ではそうわかっていても、実際に起きるまでは自分事としてなかなか考えることができません。
今回、自分がその場に行くことで火山が持つ力の強さ、影響の甚大さを改めて知ることができました。
人は自然に逆らうことができませんが、人が自然に対応して変化していくことはできるはずです。
あなたもぜひ、自然の偉大さを知ることのできるアウトドアの世界へ!
*撮影協力
あさまの冬あそび「あさまスノーパラダイス(アスパラ)」
小浅間山トレッキングツアーの他、「浅間高原」や「鹿の踊り場」など、噴火の歴史を持つあさまの冬遊びを提案。
(http://bigskyasama.com)
問合せ・予約先:0279-84-2512