今話題沸騰中のバンライフを送りながら、2人の大学生が1年以内に日本百名山を制覇するまでの道のり。今回登山先はコースが秋田県側と山形県側に、合わせて9つもある「鳥海山」。ルート選定に迷っている方へそれぞれレベル別のコース紹介や実際の登山レポート、周辺情報などをご紹介していきます!
鳥海山は「新山(2236m)」が一番標高の高い場所で、東北第2の高峰。日本海から山頂部まで直線距離でわずか15kmの独立峰であり、秋田県と山形県どちら側からも多くの登山ルートが存在します。日本海と大地が見渡せる眺望や、ブナ林や高山植物の群生を目にすることができます。山頂では中央火口丘の新山(最高峰)を中心に、行者岳、伏拝岳、七高山がありルートによってさまざまな特徴のコースを楽しめます。
また、最高峰の新山には標識はなくペイントだけですので、山頂では自然のままの姿を感じることができるでしょう!
全体地図はこちら!
こちらは、鳥海ブルーラインの最高位にある鉾立(ほこだて)から始まり、コース全体を通して視界の開けた眺望の良いコースです。整備された登山道の道幅は広く歩きやすいため、ゆっくりと景色を楽しみながら山頂へ向かうことができます。また、鳥海湖や鳥海山固有種の豊かな高山植物が見られることも人気の理由となっています。
矢島口は北東斜面に位置するため積雪量が豊富であり、山スキーの有名なスポットとしても知られています。そのため、7月中旬まで残雪がある場合も多く、夏でも冬季装備が必要になってきます。また、祓川(5合目)までは舗装された道路を車で行くことができるようになっているため、アクセスも簡単です。山頂までの道のりでは壮大な岩肌を目にしながら七高山を通り、鳥海山の最高峰の新山に向かうことができます。
中・上級者向け!こちらは山形県湯ノ台口から始まり、山頂まで最短で向かうことができるコースです。夏でも雪渓が多く残っており、大雪渓のトラバースや尾根沿いの危険箇所に対応することができような経験が必要になってきます。そんな湯ノ台口コースですが、急登のあるあざみ坂を登り切った先にある外輪山の伏拝岳からは、疲れを一気に吹き飛ばすほどの圧巻の景色を目にすることができます。
全体的に眺望も良く、登山道も整備されているため初心者の方にも人気のコースです。登山口からまず初めに現れる急坂「伝石坂」の樹林帯を登り切れば、視界も開け勾配も緩やかになっていきます。また、鳥海湖、日本海の姿や高山植物が咲き誇る道を通りながら山の変化を感じながら山頂へ向かうこともできます。
ここからは実際にイケダとコスギの山行を写真とともにお届けします。鳥海山の登山ルートは9つあり、どれを取っても魅力的なルートですが、今回は雪解けが一番遅く美しい雪渓歩きを楽しめる矢島口コースから実際にレポートしていきます。
今回は矢島口登山口の駐車場に車をとめ登山を開始します。この登山口は5合目の場所に位置し、標高1200mからの登山です。
登山口から少し歩くと、正面に鳥海山が現れます。これから登る鳥海山を見ながら湿原に設置された木道の上を歩いていきます。
木道を楽しんだ後は雪渓歩き!初めはきつい勾配を登っていきますが、その後しばらくは平坦な道が続きます。
しばらく雪渓を歩くと、本日最初で最後の林道歩きが待っています。林道は中腹を過ぎると徐々に傾斜がきつくなるため、ゆっくりと自分のペースで楽しみましょう!
林道が終わると視界が開け、真っ白な大地を進み、画像上部の坂を登っていきます。6月上旬でも雪上歩きを楽しむことができます。
登山開始から1時間10分で中間地点の七ツ釜避難小屋に到着です。七ツ釜避難小屋にはトイレも完備されているため、安心して登山を楽しむことができますね。
避難小屋から雪の斜面をトラバースし、少し進むと山頂が見えてきます。途中雪の割れ目がいたるところにあるため、足元に注意して進んでいきましょう。
山頂直下のガレ場までは急斜面を登っていきます。照りつける太陽の下、白く輝く雪上の斜面を登る時間は何ものにも代えがたいですね。
山頂(七高山)まで約200mのところからガレ場に移ります。勾配はかなりきつく、鎖やロープを駆使して進んでいきます。
登山開始から約3時間で七高山山頂に到着です。鳥海山の最高峰「新山」までは七高山から30分ほど。
七高山からの景色はまさに絶景です。登ってきた祓川方面を振り返ると雪渓と鮮やかな緑の美しいコントラストが、新山方面には雄大な地形に存在する大雪渓の姿が見て取れます。
七高山から新山へは約30分。まずは新山を横目に分岐まで進みます。
ここから先ほどの大雪渓に降りていきます。かなり急な下り坂になっており、浮石があちらこちらに散在しているため足元に注意して下りましょう。また、帰りも同じコースを通るため登りも注意が必要です。
大雪渓に下り立った後は新山がある反対側のガレ場まで雪上をトラバースしていきます。
新山の山頂直下では大きな岩の上を進みます。時折突風が吹きバランスを崩してしまうことがあるので慎重に山頂へ向かいます。
登山開始から約4時間で鳥海山(新山)の山頂に到着です。山頂に標識はなく、岩にペイントされています。また、スペースが狭く足場も悪いため注意が必要です。
鳥海山(新山)山頂からは祓川コースと反対側の日本海や、先ほど通ってきた七高山を見ることができます。
今回はクレバスをバックに座るコスギを選出!初めて見る雪上の割れ目に怖がりながらも興味津々です。
コースタイムには個人差があるため、参考程度にご覧ください。
祓川(7:30)
七高山(10:25)
新山山頂(11:00)
七高山(11:40)
祓川(14:45)
【象潟口コース】
・鉾立駐車場
【矢島口コース】
・矢島口登山口駐車場
【湯ノ台口コース】
・湯ノ台口駐車場
【吹浦コース】
・大平駐車場
また、矢島口コースの中腹にある七ツ釜避難小屋、新山山頂直下にある御堂小屋にもトイレがあります。
いかがだったでしょうか。今回は9つあるコースの中から矢島口コースをレポートしました。矢島コースは北斜面に位置していることから例年雪解けが遅く、夏場でも雪渓歩きを楽しむことができ、春先にはバックカントリーを楽しむ方でにぎわうコースでもあります。また、春先から夏にかけては高山植物を見ることができたり、秋には紅葉が美しかったりと一年中楽しめる山なので一度は行ってみたい山ですね!
次回の登山先は松尾芭蕉も訪れた「月山」!山形県にある百名山のこの山の山頂には神社があり古くから山岳信仰の山としてたくさんの人が訪れていました。磐梯朝日国立公園の特別区域にも指定されており、高山植物や珍しい動物たちも見ることができるこの山をレポートしていきます!次回もお楽しみに!
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