四国・高知県の2大渓谷と呼ばれる中津渓谷と安居渓谷。四国山脈上流から流れ、「仁淀ブルー」と呼ばれている仁淀川の清流は、全国1級河川の水質ランキングで3年連続第1位に選ばれています。川底まで透き通る水の透明度を誇る中津渓谷と安居渓谷をご紹介します。
日本には綺麗な水が流れる川がたくさんあります。その中でも、ぜひ一度は生で観ていただきたい川が高知県に……。
四国山脈上流から流れ、「仁淀ブルー」と呼ばれている仁淀川の清流は、全国1級河川の水質ランキングで3年連続第1位に選ばれる程。川底まで透き通る水の透明度を誇っています。
その神秘の光景を間近で味わえるのが、高知2大渓谷と呼ばれる中津渓谷と安居渓谷。
高知の市街地から約30分車で走り、優雅に流れる仁淀川の下流域に着いてから、さらに1時間程走った先にある2つの渓谷は、初めて見る方の心を掴んでやまない魅力があります。
……そんな四国・高知の山奥へ行くのは初めての方も多いはず。
そこで今回は、この2つの渓谷を「高知家エクストリームトラベル社」のツアーに参加し、見どころを案内していただきました。
2つの渓谷があるのは、高知県の北西部にある仁淀川町。愛媛県境に接した四国山地中央部に位置しています。
「うん……四国のこんな山奥まで来る機会はなかなかないっ!」と感じつつも、中津渓谷を歩きはじめました。
入り口からは遊歩道が続き、渓谷を間近に見ながら自然散策を楽しめるようですが……。
青く透明な水の色を目の当たりにして、足が止まりました。
渓谷には全長約2.3kmの遊歩道が整備されていますが、「これ何の冒険!?」と思える程、入り組んだ道が続くのが中津渓谷の特徴です。
手すりの無い通路を慎重に歩き、中津渓谷のシンボル的存在「雨竜の滝」を目指します。
そして、道の途中には、なんと七福神。
ところどころに石像があるので、それを探しながら散策するのも面白いですよ。
そして、渓谷の奥深くに位置するこの橋。なかなか冒険心をそそる佇まいです……
その橋の先には、落差が約20mもある豪快な滝。その姿はまるで竜が水を吐くように見えることから、「竜吐水」とも呼ばれています。ここまで近距離で滝を眺めることができるスポットは、全国的にもあまり無いのでは。
岩に囲まれており、水の音が身体に心地よく響く非日常体験ができる場所です。
滝を後に展望台に登ると四国の山々が……水も綺麗でしたが、緑もとても美しい。
しかし、次に訪れる安居渓谷には、さらなる驚きの絶景が待っていました……。
中津渓谷から車で移動すること数十分。目的地に向かう道程が既に絶景。これから先、どんな景色が待っているのか、車中で心が弾みます。
目的地の「宝来荘」に到着。ここは宿泊施設になっており、その全室から渓谷が見渡せます。
そして、渓谷散策の前に、高知名物であり渓谷の女王と異名を持つ「アメゴ」でお腹を満たしましょう。
「宝来荘」で安居渓谷の地図をもらって、いよいよ出発。目指すは、滝!
仁淀川支流の安居川。その上流部にある安居渓谷は、森と崖に囲まれた美しい渓流に彩られた静かな景勝地になっています。
一歩足を踏み入れると、ため息がでるほど美しい……これが仁淀ブルーか。
水の中はもう別世界。夏であれば間違いなく泳いでいるところですが、水の中に入らなくても、水中を泳ぐ魚や石を見ることができます。
洞窟をくぐり抜けた先から見る清流もこの青さ。
仁淀川流域の特徴のひとつに挙げられるのは、カラフルな美しい石が多いこと。約4億5千年前に形成された古い時代の石が多く点在しており、日本でもその種類の多さは有数とされています。安居渓谷では、石が上手に組み立てられているのを所々で見ることができるので、ぜひ挑戦してみては?
渓谷内には「飛龍の滝」「昇龍の滝」「みかえりの滝」「背龍の滝」など、見応え十分の滝が待ち構えています。そんな滝を求めて渓谷をトレッキングできるなんて、ワクワクでしかありません。(道は整備されているため初心者でも安心)
渓谷を後にして、高知市街に向かう道中にも雄大に流れる仁淀川の下流域を通ります。時間が合えば、ゆっくり夕日を眺めていくのもおすすめです。そして、何と言っても空が広い!
四国の川と言えば、高知県を流れる四万十川が有名ですが、仁淀川は知名度では及ばなくても、水の綺麗さや楽しみ方では四国を代表する川です。下流域では、カヌー、釣り、バーベキュー、今話題のアクティビティSUPも体験でき、季節によっては蛍観賞も楽しめます。
そんな仁淀川の自然の恵みを、身体全身に浴びてみてはいかがでしょうか。
※今回ご紹介したツアーは「高知家 エクストリームトラベル社」で実際に体験可能です。(現在のツアーは秘境・安居渓谷になります)
http://www.attaka.or.jp/kochi-extreme/tour/2016/01/post-26.html
【2021年11月9日追記】
高知家 エクストリームトラベル社は現在閉業しています。
文・撮影 / 松田然