今注目を集める「バンライフ」をしながら、日本百名山を1年以内に登頂を目指す2人の大学生の物語。今回の登山先は、世界遺産にも登録されヒグマの生息地としても有名な、知床半島の羅臼岳!そんな羅臼岳のモデル登山コースや5月の登山レポート、周辺情報などをご紹介していきます。
山頂までのコースタイムは平均9時間、距離にして約15km。北海道にある羅臼岳は知床半島の最高峰の山です。登山シーズンは、7月上旬から9月中旬と言われており、夏が短く7月まで残雪が残る山でもあります。
また、残雪の期間においては地図読みの経験が必要になってくる山です。
岩尾別コースは、登山道がしっかりと整備され最短コースで登頂を目指すことができる一般的なコースです。また、登山中には雪渓や高山植物などを楽しみながら登ることができます。山頂にかけては岩場となっており、目印のペイントを追いながら急登を登りきれば登頂です。
このコースは、羅臼温泉の登山口からはじまり、標高差が激しく急登や岩場を通るため上級者向けになっています。登山道にはトイレがないため携帯用トイレをもっていくと安心です。屏風岩の雪渓は距離も長く斜度も多く、ガスがかかるとロストしやすくなっているため、注意が必要です。
長さ約70km、幅約20kmの知床半島には、約500頭のヒグマが生息されていると推定され世界的にも珍しい地域です。知床自然センターのスタッフの方からいただいたご意見をもとに、熊対策のためにできること対処法などをご紹介していきます!
①熊鈴の携帯
– 熊鈴の目的は、人間が常にいるとアピールすることです。
また、ラジオを流したり常に音を出し続けることによって、熊との遭遇の可能性を減らすことができます。
②熊スプレーの購入もしくはレンタルの準備
– 熊スプレーはレンタルできる場所もあるので、事前準備が必要不可欠です。熊スプレーの成分の中には、唐辛子の成分が含まれており、人間にかかると失明のおそれもあるため注意して使用しましょう。
①熊に遭遇してもびっくりして、背を向けて逃げない。
– 熊は本能的に獲物を追いかける習性があるため、まずは冷静に熊スプレーを手にとり、ゆっくりと後ずさりしましょう。
②熊に遭遇したら、ストックなどを使い体を大きく見せる。
– 体を大きく広げ威嚇行動を見せると一定の抑止力があると言われています。また、威嚇の際には大きな声で熊に威嚇することも良いでしょう。
ここからは実際にイケダとコスギの山行を写真とともにお届けします。登山口からの林道や、藪漕ぎ、ハイマツ地帯、山頂からの展望など見所は沢山!また、オホーツク海と太平洋を同時に見ることができるのも羅臼岳の特徴です。
自然豊かな羅臼岳の全貌がこちら!
知床自然センターは岩尾別登山口へ行く道路の途中にあります。
営業時間
8:00〜17:00(4月20日〜10月20日)
9:00〜16:00(10月21日〜4月19日)
なんとここの施設では北海道登山では必須である熊スプレーをレンタルすることができます。
料金
24時間:1000円
使用した場合:10000円
紛失した場合:3000円
また、熊の特性や熊に遭遇した時の対処法など詳しい情報を聞くことができるので、羅臼岳へ登山に行く方は寄って損はなし!熊情報以外にも、THE NORTH FACEの直営店やおしゃれなカフェもありますので、観光がてら寄るも1つの楽しみ方ですね。
今回は岩尾別温泉の奥にある登山口から登山スタートです。知床半島では毎年5月から7月にかけて熊の目撃情報が増えるため熊鈴・熊スプレーを常備。
登山口から約1時間ほどは緑豊かな登山道を進みます。私たちが熊を警戒するのはもちろんですが、熊の生息域にお邪魔しているという気持ちも忘れずに!
高度が上がっていくにつれ、時折急な斜面で出くわします。足元を見ながら慎重に。
山頂まであと5kmの標識に到着!まだまだ雪は現れず、夏道を進みます。
標識から夏道を進んでいくと気づけば辺り一面雪景色に!乱れるように立っているハイマツを避けながら地図とGPSを確認しながら登っていきます。
木々を避けながら進み、ふと横を見ると知床連山が!かなり雪が溶け始めており、緑の中に白い雪が点々としている様子が知床の大自然を感じさせます。
木々の間を縫うように進んでいくと、急に現れる直登!この時期の雪はかなり緩んでいるためズボズボとはまりながら登っていきます。
急登を振り返るとそこにはどこまでも広がっているオホーツク海と富士の樹海を彷彿とさせるハイマツ帯。ゼエゼエと私たちの肺を苦しめていきます、、、
急登が終わり、ゆるい雪道を進んでいくと、羅臼岳の頂きがひょっこりと顔を出します。
ここから夏道では左に迂回していきますが、雪がまだまだ残っているため山頂へ直進!
間近の山頂をバックにパシャリ。ここから夏道に復帰し、世界遺産の中にある知床半島最高峰へ向かいます!
この岩清水分岐から夏道に復帰しました。山頂のすぐ横から太陽がのぞかせているのがなんとも神々しい!
山頂直下の急登の横には太平洋が見えます。反対側にはオホーツク海を眺めることができ、半島ならではの景色を楽しむことができます。
トップまでもうすぐです!山頂へは尾根沿いを歩きます。山頂直下の雪はしまっており比較的歩きやすい印象でした。
最後の雪道を登り終えた後は、ゴロゴロとした岩場を少し進みます。山頂が目の前ということもあり、2人のテンションはマックスです。
羅臼岳登頂!山頂には雪は残っておらず、傾いた山頂の標識が私たちを出迎えてくれました。
羅臼岳山頂の標識の後ろ側にはオホーツク海が見え、三ツ峰、知円別岳、硫黄山と知床連山の山々が連なる絶景に圧倒されます。
標識の反対側には北海道中央に向かって山々が連なっています。
オホーツク海をバックに太陽に手をかざすコスギ!山頂からはこんなにも壮大な写真が撮れちゃいます。
※コースタイムには個人差がありますので、参考程度にご覧ください。
岩尾別温泉(11:00)
極楽平 (12:11)
岩清水分岐(14:22)
羅臼岳山頂(15:10)
岩尾別温泉(17:55)
全国のみなさま、補給食、日焼け止めの用意はお済ですか?最後のコンビニでトイレを済まし、軽食をゲットするのも1つですね!
セブン-イレブン 斜里ウトロ店
【岩尾別登山口を利用する方】
①岩尾別温泉駐車場(木下小屋手前)
②ホテル地の涯前駐車場
この2つの駐車場は隣接しており、合計17台程の車を停車できます。また携帯用トイレを捨てる場所もあります!
【羅臼温泉登山口を利用する方】
①羅臼温泉野営場駐車場
登山目的の方は有料の駐車場となっているのでご注意を!
②ビジターセンター第2駐車場
今回は大自然が残る知床半島の最高峰「羅臼岳」へ行ってきました。雪で道も露出していなく、地図読みの技術がかなり問われる印象でした。
また、知床半島は世界一の熊密度であり、人間と熊の生息域が近いのにも関わらず、熊が人間を襲った例が一つもないそう。これは、知床半島の人々(知床に訪れる人々も含む)が一人ひとり熊を熟知し、遭遇した時の正しい対処法を知っているもしくは実践できるからなのではないかと思います。
また、知床で熊に襲われたニュースが一件でも入ってしまうと、知床は熊が襲うところだと認識してしまいます。なので、知床を訪れる際は一人ひとりが熊へ敬意を払い、正しい対処法を学び訪れるようにしましょう。
やはり、一番大事なのは熊へ敬意を払うこと。
熊の生息域にお邪魔しているという気持ちを忘れず、登山を楽しみましょう!
同じく知床半島にある標高1547mの斜里岳。山頂からは知床連山、国後島、摩周湖、屈斜路湖、野付半島など東北海道一円の大パノラマが広く見渡すことのできる山!北海道の山には野生の熊が生息しているため、斜里岳でも注意が必要です。
北海道はまっすぐな道が多く、私たちのバンの燃費も通常に比べて良く嬉しい2人。
次回も斜里岳に向けてバンを走らせていきます!
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