『ここからはじめるソトあそび』
これが今年初開催となるペア・フェスタの副題。
取材の打診をさせて頂いたときはキャンプ初心者向けのイベントというイメージを思っていましたが、
実際に足を運んでみるとそんな簡単な言葉では済ますことができない、素敵なイベントでした。
手作り感溢れる、この空間にいると自然と心が温まる、子供たちがイキイキと躍動する。
そんな体験。
ペア・フェスタの開催日は11/22(日)。
その前後もキャンプインをすることができ、編集部は前日夕方入り。前日ということで特別なイベントは無いものと思いきや、ベテランキャンパーSAMさんによる星の講座が開催しました。前のめりに参加する子供たちを中心に、大人たちもそのスケールの大きな話に心奪われます。
生憎の曇りでしたが、月の周りは雲が無く、子供たちは普段見ることのできない巨大な月に吸い込まれていました。野外での星講座、そして普段は見ることのできない大きな大きな月。そんな体験を多くの子供たちにさせることができたなら、きっと壮大な夢や希望を抱き心豊かに育ってくれるでしょう。
出店者の方も子供連れが多く、焚き火と共に時間がゆっくりと流れる中、子供たちは大人にまじって何を感じていたのでしょう。
思えば自分たちの世代は(当方31歳)、親がキャンプをすることは少なく、小さい頃にキャンプを経験した、というのはボーイスカウト経験者が中心だったように思います。今は第2次アウトドアブーム。こうして小さい頃にキャンプを体験できるというのはその後の人格形成にも良い影響を与えると思えてなりません。
どんなスタイルのキャンパーがいるんだろうかとぐるぐると回りましたが、ワンポールテントの多さに驚きました。まさに今のトレンドを反映したようなサイトの姿は見て回るだけでもキャンプ好きには参考になるものがあったと思います。
朝10時、主催者による開会の言葉によってペア・フェスタが始まりました。
中央ステージではペアのアーティストによるライブが行われ、数々のお店も営業を開始。
編集部が驚いたのは、そのお店たちの「手作り感」。
多くのお店が出店していましたが、どのお店からも共通してそんな感覚を覚えました。
ひとつ目に感じた「手作り感」は、そのワークショップの多さです。
ペア・フェスタということで親子やカップル、夫婦、飼い主とペットなど、様々なペアで参加されていましたが、そんなペアが普段はなかなか作らないものを作ったり、それを通じて互いに見えなかった部分が見えたりして、グッと心の距離が近づいたのではないでしょうか。
もうひとつ感じた「手作り感」、それは地元埼玉のお店たちの出店です。
なかにはキャンプイベントでの出店ははじめて、というお店もあり、地元の方々も一緒にこのイベントを盛り上げていこうという思いを感じました。
販売されているグッズたちも、大量生産されたようなものはなく、どれも人のぬくもりが感じられるものばかり。ここでしか手に入らない、今この空間で手にしたい、そういう思いからか楽しそうにショッピングをする人たちの笑顔が印象的でした。
食事の出店も10店舗以上あり充実。
中でも、Ricke×Kippisによる青空レストランは、彩り豊か。集まった人たちがワイワイと楽しみながら食事ができるスペースもあり、料理も本格的で絶品でした。
昨晩の星講座でその魅力にのめりこんだ子供たちや、望遠鏡や双眼鏡に興味津々の子供たち。
昼間でもSAMさんのいるところにはいつも子供たちがいました。
そのとびきりの笑顔を見ていると、見てるこっちも笑顔がこぼれ幸せな気持ちになりますね。
先日発売されたカーミットシェアが即日完売したという今注目のガレージブランド、サンセットクライマックスのギアも展示されていました。子供たちが楽しめるものだけでなく、キャンプ玄人の大人たちも思う存分楽しめたと思います。
一日を通して、ゆっくり座って語らったり、時にはアクティビティをしたり、皆で集まって音楽を楽しんだりと笑顔の絶えないイベントでした。そしてとにかく印象的だったのは、そこにいた子供たちがイキイキとしている姿です。
「ここからはじめるソトあそび」というのはアウトドア初心者という意味ではなく、子供たちに自然に触れるきっかけを与えたいという主催者の思いもあったのではないか?と感じるほどに、子供たちにとって貴重な一日だったと思います。
埼玉の長瀞に1日だけ現れた心あたたまる手作り体験。大人も子供も一緒になって楽しんだキラキラとした時間は、きっとこれからもソトあそびに繰り出す原動力になるんだと思います。
「あ〜またあの時みたいにゆったりと楽しく過ごしたいな。」
そう思って、また人々はソトに出ていくことでしょう。
そんな素敵なサイクルが、日本中で続いてくれると良いなと思います。
文:.HYAKKEI編集部 /写真:黒木武浩(黒木写真事務所)