登山をするうえで、必ずしなければならない雨対策。山の天候は変わりやすく、急な雨に降られることも想定しなければなりません。そんな雨の登山も、備えあれば憂いなし。雨の登山で注意すべきポイントと、必要な装備を紹介します。
雨の登山のリスクを把握し対策をすることで、急な雨でも冷静に対応できます。以下の点に注意して、安全に登山を楽しみましょう。
雨が降った際にまず注意したいのが足元のコンディション。ぬかるんで滑りやすい場所や、地盤がもろくて崩れやすい場所などがあります。前方だけでなく、足元にも気を配りましょう。
雨や、雨が降ったことで発生する霧やガスによって視界が悪くなる場合もあります。そういった場合は、無理せずペースを落として歩き、山地図とコンパスで現在地を確認しながら慎重に進みましょう。
雨具やゲイターなどの雨対策装備は、雨が降ったらすぐに出したいところ。ザックの雨蓋など、サッと取り出しやすい場所にパッキングしておきましょう。
長時間雨に濡れると体温が低下し、体力の消耗に繋がるので、小雨でも雨具を使用しましょう。また、雨具による蒸れで汗もかきやすくなるので、脱水状況に陥らないよう注意が必要です。こまめな水分補給も忘れずに。
雨の登山でテント泊を余儀なくされる場合は、テントを張る場所に注意です。水捌けの悪い場所や、水の通り道になる場所、崩れやすい場所は避けましょう。特に川沿いは、小さな川でも急な増水による鉄砲水のリスクがあり危険です。
木の生えていない標高の高い尾根で雷雨に出くわした場合は、落雷のリスクが高くなります。近くの山小屋へ避難する、下山する、体を低くしてやり過ごすなど、状況に応じて対処しましょう。積乱雲が発生してないかなど、登山中は雲の様子にも気を配ることも重要です。
大雨の場合は、山小屋への避難や下山を決断することも必要です。自身の能力や装備への過信は、思わぬ遭難や事故につながります。
山の天気は変わりやすいので、天気予報では予測しきれない急な雨に見舞われることも多々あります。事前に雨を想定して、装備を整えておくと安心です。
雨が降る可能性が少しでもある場合は、ゴアテックスなどの防水素材でできたレインジャケットやレインパンツ、レインポンチョを用意しておきましょう。雨が降らずとも状況によっては、防寒具としても機能します。
シューズに雨や泥が侵入すると、足先の冷えや快適な歩行の妨げになります。スパッツやゲイターを用意して備えましょう。ガレ場や砂利道での小石の侵入も防ぐなど雨以外のシーンでも活躍するので、持っておいて損はない装備です。
ザックが強い雨にさらされると、中のものが濡れるだけでなく、ザックが水を吸って重さが増します。それを防ぐ装備がザックカバーです。ザック自体に高い防水性があれば、必ずしも必要ではありません。上半身とザックを丸ごと覆えるタイプのポンチョもおすすめです。
衣類やシュラフなど、濡れたら困るものをドライバッグに収めてからザックにパッキングすると、より荷物への浸水を防げます。雨の中、荷物を出し入れする際中身の濡れを防げるので便利です。
防水素材でできたツバの広い帽子があると頭部の濡れを防げます。雨具のフードでも良いですが、快適さと動きやすさの面では、帽子の方がベターです。
雨の登山で起る不便が、山地図の濡れ。水に強い紙を使用した地図を選ぶのもありですが、ペンで書き込んだ部分がにじんでしまう場合もあります。そんなときは、防水のマップケースがあると、地図を雨から守れます。
装備が揃っている方は、小雨程度の雨の日にあえて低山で登山するなど、雨登山のトレーニングをするのもおすすめです。雨のコンディションでの歩き方や、必要な装備のチェックや見直しなどを行い、いざというときの対応力を養いましょう。
また、雨が降った翌日に行くと、雨が降るとその場所がどうなるかを知ることができます。ぬかるみやすい場所や崩れやすい場所などをチェックしましょう。
雨の登山のリスクやその対策、装備を用意することで、より安全に登山できます。そういったスキルアップの繰り返しで、得られる達成感や、雨の日にしか見られない風景も登山の醍醐味です。雨に降られてもプラスに捉えて、状況への対処を楽しみましょう。