連載企画!学生初、バンライフをしながら日本百名山を制覇するプロジェクト。今回の登山先は、石川県と岐阜県にまたがる残雪期の白山・御前峰を堪能。そんな残雪期の白山の山頂から見える絶景や登山ルート、雪山装備、アクセスなどを実際の山行をもとにご紹介します!
標高2702mの白山は富士山、立山とともに日本三名山の一つに数えられ、山頂部の御前峰、大汝峰、剣ヶ峰を中心とした山峰の総称として「白山」と呼ばれています。山頂までのコースタイムは平均8時間で距離にして約13km。白山室堂という小屋に泊まる一泊二日コースでは、まったり登山も楽しみながら、夜には満天の星空を眺め、早朝の山頂からご来光を見ることもできます。
~マイカー規制について~
市ノ瀬~別当出合間で7月中旬~10月中旬の週末・祝日・お盆を中心にマイカー規制があります。そのため市ノ瀬ビジターセンターに駐車し、別当出合までは約20分間隔で運行するシャトルバス(片道500円)を利用するのがおすすめです!
まずは、コースの全体像の地図を!
環白山広域観光推進協議会【ぐるっと白山】
総距離:14km 合計時間:7.5時間
このコースは、登山口のある別当出合から山頂まで最短距離で登頂でき、急登が少ない日帰りルートです。名物でもある「黒ボコ岩」を通るので、初めて登山される方から人気。またトイレや避難小屋、水場も多く、初心者の方でも安心した登山を楽しむことができます。
こちらのコースは、砂防新道に比べ展望が良いと好評の日帰りルートです。しかし、観光新道の帰りの別当坂分岐点から別当出合までは急坂のため足を痛める可能性が高いです。上りは観光新道を選び、帰りは砂防新道で下るというルートを選ばれる方も多くいます。
このコースなら早朝に出発すれば、帰りの時間を気にすることはないでしょう!
登山口から、4時間30分ほどで宿泊場所である白山室堂ビジターセンターに到着です。帰りは、砂防新道を通るルートで下山すると急登を避けて帰ることができ、初心者の方にもおすすめのコースです。
朝は山頂からご来光を、夜は満天の星空を見ることができます。白山室堂ビジターセンターは、なんと最大750人の宿泊客を収容することができ、乾燥室や更衣室、食堂、売店なども完備されています。家族でも白山を満喫することができるこのコースで、長期休暇に足を運んでみてはいかがでしょうか?
ここからは実際にイケダとコスギの山行を写真とともにお届けします。今回の見所は青空と白く輝く雪の美しいコントラストを見ながら通るルート!
今回は別当出合までの道路が冬期通行止めになっていたので、市ノ瀬ビジターセンターに車を駐車し、別当出合まで約6kmの道のりを歩きました。最盛期にはマイカー規制となり、市ノ瀬〜別当出合までシャトルバスが走ります。野営場も併設された市ノ瀬ビジターセンター駐車場の収容台数は750台!夏から秋にかけての最盛期には朝から満車になることも少なくないそうなので、早めの到着がおすすめです。
朝5時から開始です。この橋から冬期通行止め区間に入り、長い長い道路をひたすら歩きます。
登山口に向かう途中に、ロードバイクで上っている人を何人か見かけました。冬期通行止め時期は、自転車持参がおすすめです。雪も完全に溶けているので別当出合まで自転車を押していくことができれば、帰りはスイスイ自転車に乗って帰ってこられます。
これまで単調な道が続いていましたがパッと開けるとこの景色。まだ朝日が完全に出ていないこの時間だけあってなんとも幻想的でした。この景色を見ながら別当出合までもう一踏ん張りです。
やっとの思いで別当出合に到着です。市ノ瀬からは距離にして6km 、約2時間で別当出合に到着しました。
こちらが別当出合登山口。冬期閉鎖中ということもあり、木々が倒れ少し荒れています。
登山口の看板のすぐ後ろにある鳥居をくぐります。白山は開山1300年を迎えた日本三霊山の一角で由緒正しき歴史ある山ですね。
鳥居をくぐったあとは標高1000m以上にあるつり橋として日本一の長さを誇るつり橋を渡ります。
なんとこのつり橋、登山時期に間に合わせるために2ヶ月で完成させたそう。
つり橋を渡り終えると、いよいよ「登山道」という名にふさわしい道を歩きます。朝一番の肌寒さを少し感じながら、異様な世界観が漂う枯れた木々の間を縫うように歩いていきます。
途中はかなり急な石段を登ります。柵やロープはないので落ちないように足元を見て一歩一歩慎重に。
別当出合からは約40分で中飯場に到着です、ついに朝日が雪をかぶった山々の間から顔を出し、私たちの道を明るい光で照らしてくれます。
中飯場を少し登るとそこは一面の雪景色が広がっていました。標識も雪で埋もれてしまったようです。
ここから積雪量が増していくのでチェーンアイゼンを装着します。
中飯場から避難小屋まではかなりの傾斜を登ります。本日は雪が締まっているため非常に歩きやすかったです。
急坂を登り、ふと後ろを見るとこの景色が。山頂付近はもっときれいなのだろうと胸が高鳴ります。
白く輝く山をバックにパシャリ。この坂を登り終えると避難小屋が見えてきます。
晴れた雪面では、紫外線が反射しやすく通常の2倍近い紫外線が目に注がれていると言われています。そのため、雪山登山の時には紫外線から目を守るためにサングラス着用が必須です!
甚之助避難小屋に到着です。夏にはベンチもある避難小屋ですが、冬の避難小屋は雪で埋もれています。
避難小屋のすぐ横には絶景スポットが多数あります。断崖絶壁の崖の奥には白い山々の稜線が。素晴らしい景色とともにここからいよいよ直登が始まります。
避難小屋を過ぎると、どこまでも続きそうな坂道が。広々とした白い床に一つの人影が。上が見えないほどの傾斜には度肝を抜かれますが、ひたすら登っていきます。
ここから斜面をトラバースし、さらに急な坂に入るため、急斜面を登りきったところでアイゼンとゲイターを装着します。
急な斜面をトラバース。ここの雪質が柔らかかったため、とても歩きづらく体力を消耗してしまいました…
落石注意の看板がすごい方向になっていました。私たちも落石に注意しながら速やかにこの区間を渡ります。
もう少しで黒ボコ岩。見たこともない絶景をバックに本日一番の激坂を登ります。
一歩でも足を滑らせると谷底に落ちてしまいそう…
次のページ:急坂を登り終え、名所黒ボコ岩に到着!振り返るとそこには…
ページ: 1 2