• キャンプや登山に関わる人々へのインタビュー記事一覧です。自然に魅せられたアウトドアフリーカー、自然と共に生きるアスリート、熱い信念を持つオーナー等、その想いやヒストリー、展望など、写真と共に丁寧にお伝えします。今後の人生の選択肢のひとつとなるヒントが、見つかるかもしれません。
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アウトドアが防災に繋がる。東北でNO DOORなスタイルを提案する注目ショップ”ENstyle”

コンセプトに共感して、「ここで手に入れる」

amazonや楽天、専門通販サイト。

アウトドア道具は以前より楽に、1つ1つ選り好みして購入できるようになりました。

ただ、それだけではありません。

見た目、機能、ブランド、価格・・・
そういったものだけで判断し取捨選択するのではなく、お店にある、確かなコンセプトとストーリーに共感して、同じ道具だったとしても「だから、自分はここで買うんだ」という道具の買い方、選び方。

明確なコンセプトのもとセレクトされた道具たちとの、意外な出会い。

そんな道具選びも良いのではないでしょうか?

木材を基調とした店内がなんとも安心感を与える居心地のよい空間。

ここは宮城県仙台市にあるアウトドアショップ“ENstyle”です。

店内に入ると、目をつぶって匂いを嗅ぎたく鳴るような匂いが……

店主川村さんの手でドリップされたコーヒーでお出迎えです。

この時点で既に素敵なこのEN styleについて、たくさん語って頂きました!

アウトドア人口の増加が防災に強い国を作る

――このお店をはじめたキッカケは何でしょうか?

元々は雑貨屋を開こうと思っていました。色々下準備をしていた中、震災が起きたんです。

実はその時にアウトドアギアがものすごく役に立ったんです!その時に「アウトドアは防災に役立つのでは?」と思い、そこからは早かったですね。

――震災の時は特にどのようなことが大変でしたか?

個人的に一番きつかったのは「灯り」がなかったことですかね。

また、ガスの復旧にも時間がかかっていました。

そんな中でコンパクトに持ち運べて移動できるアウトドアグッズは本当に便利だなと。

元々アウトドアが好きでキャンプなどをしていらっしゃる方からは強い生命力を感じましたね。震災の時でもギアを活用して生活していました。

それを見た際にアウトドア人口が増えれば結果的に防災に強くなるのではないか、と思いこのENstyleを創りました。

大切にしている3つの『EN』

――お店の名前にも入っているENにはどういう意味が込められているのですか?

待ってました!(笑)

ENには3つの意味があります。

震災によって閃いたこの発想や繋がることができた人たちの『縁』

震災や復興への手助け、支えという意味を込めて支援の『援』

そして東北、EastとNorthの頭文字をとって『EN』

だからENは大文字なんです。この黒板に書いてあるENも実は北東の方角を指しています。

人々の生活へNODOORなライフスタイルの提案

――お店を営む上で気にかけていることはありますか?

仕入れるモノにはこだわっています。場所埋めに仕入れているモノは1つもありません。

アウトドアグッズだけでなく、生活雑貨も仕入れています。

元々NO DOORという言葉を掲げていて、使うものに中も外も関係ない、どちらでも役に立つみたいなことを伝えたいと思っています。

お客様には「普段使いもできるアウトドアグッズ」として提案することを心がけています。

あくまでアウトドアに興味をもってもらうためのキッカケとして、生活の一部に取り入れてくれたらと思っています。

――それが結果的に防災にも繋がるというわけですね。防災時にオススメのグッズはどれでしょう?

やはり「灯り」はとても重要ですので、このソーラーライトはとても便利です。

日中は充電しておいて、夜はライトとして使えますし、持ち運びも便利です。

スポークも便利です。

被災時は洗い物が十分にできなかったことも印象的でした。

これなら洗い物を少なくできますし、重さも数も最小限に抑えることができます。小さなことですが、これを1つもっているだけでも全然違うと思います。

――聞いているとアウトドアグッズで生活をハックする、そんなイメージですね。

もちろんハック的な意味でもオススメですが、仕入れているモノには本当にこだわりをもっているので、実際に見て触って頂いて買って頂きたいモノもあります。

こちらもスポークではありますが、真鍮製です。

何が良いって、これをカップラーメンの蓋に刺して3分待っているその佇まいがかっこいいんです!

真鍮製なので、ジーンズのように育てることを楽しむこともできます。

――こういうグッズはベテランキャンパーの方々も好きそうですね!

DIY、自分の手でやってみるという心がけ

――内装や配置にもこだわっているのですか?

もちろんです。例えばこの棚は青森のりんごを販売している会社さんから取り寄せました。

壁も自分で塗ったり、木材を仕入れて櫓を作ったりしていますよ。

店内のレイアウトも定期的に変えて、お客様が飽きないように工夫しています。

――ご自身の手によるこだわりが強いのですね!

DIY精神は意識しています。

元々DIYという言葉は終戦後のイギリスで荒廃した土地を自分たちの手で復興させよう、という思いや行動が発端なんです。

自分たちの手で、という意志はアウトドアにも通ずると考えており、私の中でも大切にしている心がけです。

ものづくりも好きで、登山用のロープを編み込んで、木鉢ホルダーを作ったりもしています。

教える、そして教わる、アウトドア好きが集まれる場所に

――最後に、今後はお店をどのような場所にしていきたいですか?

このお店、最初はリピーターの方ばかりだったんです。

アウトドアに興味を持つキッカケを、と思って始めましたが、来て下さるのはベテランキャンパーさんのような人たちばかりでした。

でもある時その方々がENstyleのことを広めてくれたんです。

そこからその人達に影響を受けているアウトドア初心者の方々も来てくれるようになり、今ではウチがキッカケでテントを買って本格的にアウトドアを始めてくれた人もいるんですよ。

僕も元々アウトドア初心者ですので、アウトドアについて教えてもらうこともしばしばです。

でもそんな教えたり、教わったりができて、アウトドアの輪がどんどん広がっていく、そんな場所にしていきたいなと思っています。

今ではベテランアウトドア好きの方が持っていないグッズを探すのが1つの楽しみだったりもしますよ。

持っていないものや知らないものを見つけられた時に「よっしゃ!」とガッツポーズしてしまいますね。(笑)

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いかがでしたか?

震災をキッカケに始まったこのENstyleはまだ2015年に開店したばかり。

川村さんのこだわりに溢れ、アウトドアをライフスタイルに取り入れ、防災力を強化するという考えに.HYAKKEI編集部も驚かされました。

仙台に訪れた際は是非立ち寄ってみてはいかがでしょうか。川村さんの独自な視点によるギア紹介連載も近日開始予定!そちらもどうぞご期待下さい。

店舗情報

<ENstyle>

*所在地
〒980-0014 宮城県仙台市 青葉区本町2丁目16−15 中村 ビル 2階

*公式サイト
http://enstyle.net/

*公式Facebookページ
https://www.facebook.com/enstyle.sendai/

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