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求めたのは「音のない火のゆらめき」trangia アルコールバーナー / FEUERHANDランタン|IN⇔OUTな道具達 #1

アウトドアマン達の日々の暮らしを覗いてみたい。休日のアウトドアスタイルがかっこいい人たちは、きっと平日のインドアもこだわりのアウトドア道具と共に暮らしているはず。

そんな期待を胸に「IN⇔OUTな道具達」第一回に登場していただくのは、家具やファッションアイテムのクリエイティブディレクター、沼田裕進さん。彼が選ぶ道具には、より豊かに時を過ごすためのこだわりがありました。

沼田さんのリビングにはブラジリアンハンモックが下がる。
沼田さんのリビングにはブラジリアンハンモックが下がる。

道具選びの変わらないこだわり「味のあるもの」

「物心ついて、初めてキャンプをやりはじめたのは23歳の時かな」

当時手に入れたは、360CCのマツダポーターバン。時速30kmしか出ない車と共に、キャンプ場ではなくただの河原で沼田さんのアウトドアライフは始まりました。

結婚して子供が小さいうちはキャンプをしない時期もあったと言います。しかし、再びキャンプに行くきっかけとなったのが黒のラブラドールレトリバー「くまちゃん」との出会いでした。

「子供と大型犬と過ごす休日となると、選択肢がキャンプくらいしかなかったんですよね。」

くまちゃんを家族に迎えたのは、17~18年前の話。小ぶりな車からJeepのCherokeeやVOLVOの中古車に乗り換え、キャンプ道具を積み込んでは出かけていました。

現相棒、イエローラブの「サニー」くん。
現相棒、イエローラブの「サニー」くん。

「新車は乗ったことがない。旧車を選ぶ理由は、ステータスでもなく、希少性があるものを求めているわけでもなく、フィーリングで決めています。今の車は個性がないように感じる。味があって、できあがるまでに物語がある。結局、そういうものが好きなんですよね。」

歴代の車を語る沼田さんの目は輝いていて、とにかく楽しそう。車選びも、こだわりの道具選びに通じるところがあるようです。

バイクキャンプ旅から始まったコンパクトで機能性の高い山道具への興味

「ファミリーキャンプの後、45歳くらいの頃にバイクの免許を取って、今度は1人でキャンプに出掛けるようになったんです。」バイクに荷物を積むとなると、軽量でコンパクトなものが必要。「軽量なものって、味気ないものが多い。でもそのなかで色んなものを試しながら、気に入った味のあるものを見つけるようになりました」

GO LITEのShangri-La3にINTEGRAL DESIGNSのSIL WINGを組み合わせるなど、コンパクトさと軽量性、機能性を兼ね備える山道具にも興味を持つようになったといいます。その頃からはすっかり、バックパックひとつにキャンプ道具を詰め込んで、1人でソロキャンプに出かけるスタイルに。そこからビビイやハンモックも使うようになったそうです。

「アクティブだと思われがちなんですが、キャンプでは基本的に何もしません。ただただ、ぼーっと過ごすんです。」

音のない「豊かさ」をもたらす道具たち

ソロキャンプのために、いかに軽量で便利なものを使うかという道具探しのなかで出会ったのが、トランギアのストームクッカー。その付属品が、使ったことのなかったアルコールストーブ。

「家族でキャンプする時は、ガスバーナーを使うこともあるんですけど、結構大きな音がするでしょ。アルコールストーブはほとんど音がしない。静かな山の中でのんびりするには、この静けさが良いんですよね。」

バーナーのような火力はないけれど、静かな火を眺めているといつの間にかお湯が沸いている。そんな時間の流れがちょうど良くて、自宅でもコーヒーを沸す時にホーローのポットを乗せて使うようになったと言います。IHコンロではなんだか味気なく、揺れる炎をみながらのんびりと淹れるコーヒーが、休日の朝のリラックスタイムの定番になったそう。

ただひたすらに何もしない、そんな自分時間が何よりも特別

森の中にいるような素敵なリビングの一角でインテリアのように存在感を示すFEUR HANDのランタンもまた音のない火のゆらめきと共にある豊かな時間を共に過ごせる大切な道具。

「これってデザインが創業当初から100年以上変わってないんですよ。前から欲しいなと思ってはいたんですけど、赤と青のツートーンは見たことがなかった。たまたまインテリアショップにならんでいるのを見て、もうひと目惚れ。即買いました。」

火を点けるとランタンのなかで、丸みを帯びた柔らかい灯りがゆらゆら揺れる。

「これを点けて、1日の終わりに晩酌するのが、毎日の過ごし方なんです」

ウッドデッキでチェアに腰かけ、味のあるランタンの中でゆらめく小さな炎と共に、星空の下お酒を片手に過ごす自分時間。その瞬間は、日々の喧騒を忘れて、自然のなかにいるような気分に浸る。沼田さんの日常には、たとえキャンプに行けない日も、大好きな道具と共に過ごすひとときのアウトドア時間がありました。

提供写真
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※編集部より:音がないという素敵なメリットは、火がついていることに気づきにくいデメリットを内包します。インドアでもアウトドアでも音のない小さな「火」の世界を、節度をもって楽しんでくださいね。

(文:中島英摩 / 写真:茂田羽生

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