散々、悩みに悩んで、脳みその中で悩みの堂々巡りを繰り返して出した結論より、なんとなく直感やカラダの感性に従って出した結論の方が正しかった。

みなさんにはそんな経験ありませんか。

18才の頃からモデルとして活動。一流ファッション誌の専属モデルでもあった山田いずみさん。体型維持のためにはじめたヨガでカラダの感性がどんどん鋭くなり、その感性に導かれて、今は八ヶ岳の山麓、山梨県北杜市の森の中に住むまでに。

森の生活に至るまでにはどんなことがあったのでしょう。いずみさんお気に入りのランチスポットで、パートナーのヨガインストラクター古屋 友之さんと一緒にお話をうかがいました。

森と溶け合ういずみさんの日常

――この場所とどうやって出逢ったんですか?

いずみさん「巨木が好きなので探していたら、地元の人がここを教えてくれました。

これは樹齢500年のモミの木。この木が御神木だからか周りをいつも誰かが綺麗にしているんです。でも、ここで人に会ったのは、一回ぐらい。いつも静かなの。」

森と溶け合ういずみさんの日常|「ヨガで目覚めた感覚が、自然の中へと導いた / ヨガインストラクター山田いずみさん」の2枚目の画像

いずみさん「家から近いから時間が空いた時にお弁当を作って、ここに食べに来ます。すぐ下に湧き水が沸いていて水の音も気持ちいい。

なんだか、ここに来ると、不思議と言葉が出てこなくなるんですよね。この木と水はなんだかわたしの氏神様みたいな感じ。」

ともゆきさん「春先はまだセリとか他の草も伸びてなくて、奥の方まで歩いていけるんです。そこに椅子とテーブル出してご飯食べたりするのも気持ちいいんですよ。」

森と溶け合ういずみさんの日常|「ヨガで目覚めた感覚が、自然の中へと導いた / ヨガインストラクター山田いずみさん」の4枚目の画像

――毎朝、窓を開けて森に挨拶しているって聞きました。

いずみさん「そう。わたしが住んでいるところのすぐ裏が森になっていて、毎朝、窓を開けて森の様子を確認します。毎朝、綺麗だなってホント思う。家の窓から鹿の群れやリスが見えたり。」

ともゆきさん「冬は小鳥たちが窓をつついて餌をもらいにくるよね。雪が溶けると食べ物が出てくるからか小鳥たちはもうやってこない。冬以外もこっちは来てほしいのに、たくましいですよね。(笑)」

いずみさん「目が合うと食べに来ないから顔は伏せて、お盆に餌をのせて手を伸ばしてあげてるんです(笑)。」

森と溶け合ういずみさんの日常|「ヨガで目覚めた感覚が、自然の中へと導いた / ヨガインストラクター山田いずみさん」の6枚目の画像

――自然を無理なく生活に取り込んで丁寧に味わっている感じが素敵ですね、その感性はいつから?

いずみさん「子供の頃からあったんでしょうね。小学生の時、使い捨てのフィルムカメラを持って近くを散歩して、フィルムを現像してみると全部お花ばかりでしたもん(笑)。」

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モデルからヨガへ。自分を表現する方法が変わった。

――ヨガをはじめたきっかけは?

いずみさん「モデル仲間の中で体型維持のため、流行っていたのが大きいです。22才の頃かな。

ヨガを始めると、カラダの感覚がすごく敏感になりました。気持ちよいものに対しての反応はもちろん、いやなものに対しての反応も大きくなった。都会の光と音の多さがすごく気になるようになって、だんだんと都会は心地よくないなと思うようになりました。

インストラクターになったのは2008年。元モデルでヨガのインストラクターをやっている人はたくさんいたから、私は少し違うのがいいなって思ってた。」

モデルからヨガへ。自分を表現する方法が変わった。|「ヨガで目覚めた感覚が、自然の中へと導いた / ヨガインストラクター山田いずみさん」の2枚目の画像

――それでシニア向けのヨガインストラクターに?

いずみさん「わたし、昔からおばあちゃんとすごく仲が良かった。両親が共働きで、ご飯もいつもおばあちゃんと一緒。私の習い事に行くのも一緒。たまにある地元の老人会のバスツアーがすごい楽しみだったぐらい、おばあちゃんが大好きだったの。わたしはおばあちゃんと話している時が一番楽しいし、ほっとする。

だから普通のヨガではなくて、おばあちゃん相手がいいなーと思ってシニア向けに進んでいきました。」

モデルからヨガへ。自分を表現する方法が変わった。|「ヨガで目覚めた感覚が、自然の中へと導いた / ヨガインストラクター山田いずみさん」の4枚目の画像

ともゆきさん「ヨガのクラスだけやって終わりじゃなくて、ご飯食べてお喋りしてっていうのもやって、それを続けていくと、どんどんみんな元気になって、おばあちゃんも若くなる。」

いずみさん「そうそう、服も派手になって化粧も濃くなっていく。若い男性のインストラクターがいるとそれに拍車がかかるんですよ(笑)。」

――モデルを続ける選択肢はなかった?

いずみさん「写真の世界にモデルとして参加して、みんなで表現物を作るのは楽しかったんです。憧れだった大きい出版社の雑誌の専属モデルにもなれたんですけど、だんだん楽しくなくなってきた。もっと自由に楽しんで表現するのがよかったんです。東京での生活を維持するためにやりたくない仕事のオーディションに行くのが苦痛になってきたんですよね。今は仕事でシニア向けのヨガの先生をやっているというよりも、自分をそのまま表現している感覚です。」

モデルからヨガへ。自分を表現する方法が変わった。|「ヨガで目覚めた感覚が、自然の中へと導いた / ヨガインストラクター山田いずみさん」の6枚目の画像

食生活への興味を深めていたら、移住先も見つかった。

――マクロビオティックの師範の資格もお持ちなんですよね?

いずみさん「はい、ヨガで五感が敏感になってきたら食事も気になってきました。玄米菜食、自然食の食事法として有名なマクロビオティックを勉強したんです。

食生活への興味を深めていたら、移住先も見つかった。|「ヨガで目覚めた感覚が、自然の中へと導いた / ヨガインストラクター山田いずみさん」の2枚目の画像

いずみさん「以前は厳格にやっていたんですけど、最近は愛のあるものはなんでも食べるようにしています。今の家のお隣さんがすごくいい方で、わたしが遠方での仕事から遅く帰ってくるとご飯を作って待っていてくれるんです。せっかくわたしのために作ってくれているのに、それを肉だからって無下に断るのも変かなって。誰かがわたしのために作ってくれたものって外食とかできあいのお弁当とは違う気がする。あまり厳格に、これはいい食べ物、悪い食べ物って言うこと自体がダメな気がします。変に偏りすぎるのも良くないんじゃないかな。」

※マクロビオティックとは…穀物や野菜、海藻などを中心とする日本の伝統食をベースとした食事を摂ることにより、自然と調和をとりながら、健康な暮らしを実現する考え方です。

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――こちらに住む前も八ヶ岳には来ていたんですか?

いずみさん「はい。北八ヶ岳の蓼科の方によく両親と来ていました。八ヶ岳の周りは自分にしっくりと来る場所で、ずっと好きです。

東京に住んでいる時も自然の中に入りたくてレンタカーや電車で、ここらへんに1人で遊びに来ていました。

タクシーの運転手さんと友達になって一緒に定食屋で御飯を食べたり(笑)。こっちの人ってすぐ声をかけてくれるんですよね。とても親切なんです。」

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――北杜市に住むことになったきっかけは?

いずみさん「この辺でWWOOFができる、いいところがないか探してたら、北杜市のぴたらファームを見つけ、そこで一週間過ごしました。一緒に参加した前からのお友達の家がたまたま空くことになって、いずみちゃん住む?って、聞かれたからもう即答。ずっとここらへんに来れたらいいなとは思っていたから。それが2年前のことですね。」

WWOOFとは…
有機農家を中心とした「ホスト」に食事や宿泊場所を提供してもらう代わりに、「ウーファー」が労働力を提供し、有機農場について学ぶ機会のこと。

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――WWOOFにも参加するなんて、すごい行動力ですね。

いずみさん「食事のことが気になるようになったら、今度は食材のことが気になってきちゃって。マクロビオティックで使う野菜と、スーパーで売ってる野菜って全然味が違うから、これはどういうことだろうと思った。野菜は作ったことがないから、自分で作ってみたいなと思ったんです。自分の口に入るものがどうやって作られるのか。どんな人が作っているのか。確かめたくなったんでしょうね。」

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――北杜市に来てからはどうですか?

いずみさん「お隣の方がすごく山菜とりが好きで、たまに一緒に行っていろんな山菜やきのこを教えてもらっています。みんなで雪かきしたり、遅くまで仕事になって帰ってきたらご飯作って待っててくれたり。梅干しの作り方も教えてもらった。人が温かいですよね。

冬はもちろん標高が高いから寒いけど、いさぎよい感じ。カフェオレ一杯飲むだけでも幸せになれます。

友達や兄夫婦、都会で忙しくしてる人は、ここに来ると癒やされるーって言ってくれますね。」

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――今後やりたいことは?

いずみさん「お米が大好きだから、ゆくゆくは田んぼがやりたいです。お味噌汁も大好き。野菜は田んぼの端っこでできればいいかなぐらい。動物も飼いたいな。にわとりは卵くれるもんね。やぎも飼いたいけど、お乳は飲めないなぁ。」

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感覚の声にただただ正直に生きることの美しさ。

いずみさんと話し終わった後、森の中でカモシカに遭遇した後のような、そんな印象が残りました。

幼少の頃からあるいずみさんの中の自然に寄り添う感性。大好きなおばあちゃんたちに元気になってもらいたいという願い。

ヨガやマクロビオティックを通じて、からだの感覚の敏感性を取り戻したことで、自分の中にある好きなもの・嫌いなものがハッキリと認識できるようになった。そのことで、自分の中で不自然な選択をしなくなった。

自分の身体感覚に忠実にまっすぐ生きるいずみさんの姿。
それはまるで森の野生動物がただただ純粋に生きている美しい姿のようでした。

感覚の声にただただ正直に生きることの美しさ。|「ヨガで目覚めた感覚が、自然の中へと導いた / ヨガインストラクター山田いずみさん」の2枚目の画像
山田いずみさんホームページ:
http://biija.jp/index.html

(写真:羽田裕明

山口 岳

.HYAKKEI編集部 / 日本山岳ガイド協会認定登山ガイド ステージⅡ

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この記事を書いた人

山口 岳

.HYAKKEI編集部 / 日本山岳ガイド協会認定登山ガイド ステージⅡ / 人と自然をつなぐ人 / trippiece【公認】登山チーム事務局 自然の中で癒やされたいけど、ちょっと怖いなと思う人サポートします。自然に入ると一番大切なものが見つかります。魂から湧き出るビジョンが描けます。みんながありのままその人らしい生き方ができますように。

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