ライターやマッチなしで火をおこす方法を学ぼう|初心者のためのブッシュクラフト入門#03
もくじ
その2. 火床を準備する
さて、薪になる素材が集まったら、今度は火床を準備していきます。
のちさん、火が燃えるために必要不可欠な要素は何だかわかりますか? 3つあります!
うーんなんだろう。酸素? は何となくイメージがわきます。でもあとの2つがわからない…。
酸素は正解! あと2つは熱、そして燃料が必要です。この3つが揃うと火は燃えるんですね。火床はこれらのうち、熱をより大きくしてるものなんです。熱が高い焚き火は、ひんぱんに世話をしてあげなくてもしっかり燃えてくれるんですよ。
今回はオーソドックスなすり鉢型を作っていきましょう! 簡単にできます。
はい! 簡単大歓迎。
こんな風に、簡易スコップでザクザク穴を掘っていきます。この形は中心に向かうほど低くなるので、燃えてできた熾(赤く熱した炭火)が中心に集まって熱量をより大きくしてくれるんですよ。エコでしょう?
よし、こんなもんかな。のちさん、石を拾ってきて敷き詰めてください!
はーい!
大きめの石は周りを囲うように。小さな石は熱量を高めるために、中に敷いていきます。
外側の石、こんな感じでどうですか?
ばっちりです! ぎっしり詰めてくださいね。
火床は少し深めに掘ったほうが、足元がもっと暖かくなるのでオススメです。
その3. 集めた枝とスギの枯葉をセットする
火床の準備ができたら、今度はさっき拾ってきた木たちから焚き付けを作ります。
焚き付け?
いちばん下の部分に引いて、火をつけるお手伝いをする子たちですね。
その上に鉛筆の芯から、太くても鉛筆の太さ以下の小枝を置きます。それから一番下の杉の枯葉の下には、二センチくらいのスペースをあけておきます。そこにこのあと紹介する着火剤を入れますよ。
縁の下の力持ち的な感じですね。
ですね! スギの枯葉はよく燃えるので、用意しておくと何かと便利ですよ!
その4. 着火剤を用意する
今回は着火するためにこんな材料を用意してみました。
時計回りに、ワセリン・アルミホイル・コットンです。
めっちゃシンプル。というか、ワセリンで燃やせるんですね。知らなかった。
ね。普段アウトドアをやっていないと、なかなかこれが着火剤と結びつかないかもしれない。
ちなみにリップクリームなんかも、欧米では着火剤としてよく用いられています。
えー! リップクリーム!? あれに火がつくイメージがまったくわかない……。
今度ぜひ試してみてください!
今日は、このワセリン・アルミホイル・コットンで、コットンボールを作ります。
作り方はとっても簡単。ワセリンをコットンで包んだものを、アルミホイルでさらに包むだけで完成です!
アルミホイルに包んでおくと、持ち運ぶ際にとても便利。僕はこれをいつも常備しています。くるっと丸められたら完成!
その5. 火をつける
それでは、いよいよ着火に移りたいと思います。
ついに! 着火タイム!
いろんな方法がありますが、今日はメタルマッチという着火方法にチャレンジしましょう!
ライターやマッチと比べると少し着火が難しいのですが、ブッシュクラフトの定番アイテムなんです。
こんな棒で本当に火がつくのでしょうか…!?
大丈夫! まずは先ほどのコットンボールのアルミを少し開いて、メタルマッチの先っぽをワセリンの中に突っ込むようなイメージで……
なるべく長いストロークを意識して、最後だけ力をぐっと込めて、火花を散らします!
難しそう……いきますよーっ えい!
シュボッ
え、すごい。一瞬でつきました。
素晴らしい! 着火には少しコツがいりますが、火口が着火しやすいものであれば、スムーズに火をおこすことができます。
そしてその火を、組みあがった細い枝たちの下に入れます。
わ、なんかすごい煙が出てます…!
枝が湿っていた証拠ですね。蒸発しているんです。
ふああああぁああ……めっっっっっっちゃあったかい……。
焚き火のコツは、しっかり薪を組むことにつきます。あらかじめ組んでおくと、中心だけ燃えていても周りに置いてある薪にも熱が伝わるので、湿り気を乾かしてくれるんです!
そうすると、薪が湿っていて火がつきにくいときなどは、ありがたいですよね。
いかに最小限のパワーで熱を伝えるかがカギになってくるんですね……!
良い感じに火が安定してきました!
その6. 料理を作ってみる
さて。ここら辺で、ちょっと小腹空きませんか?
めっちゃ空きました。ずっとぐーぐー鳴ってます!
せっかく火も綺麗におきたし、ここら辺でお手軽なキャンプご飯をご紹介したいと思います。
わーいやったー!
使う材料はこんな感じ。ぎゅっと鍋の中に必要な分だけ詰めて持って行くのがオススメです。
今日はちょっと、イタリアンなリゾットを作ってみたいと思います。
まな板は先ほど焚き火をおこしたときに使った木のあまりを使いましょう!
ナイフで表面をそぎ落として、鍋の上に置くとまな板に早変わりします。
すごい。めっちゃ便利。
必ず毒ではない木を選びます。杉などが妥当でしょう。
その際、木の先も皮を削っておくと、まな板兼かき回す棒として大活躍します!
本当だ! 1個で2つの機能を果たしてくれるわけですね。
しかも、使いやすい。
今回は鍋や飯盒を使っていますが、この要領で食器を手作りすることも可能です。
のちほどスプーンは、この方法で作ってみましょう!
楽しみ。
ぐるぐるとかき回して、具材がしんなりしてきたら、お水とお米を足します。
目安は食材が全体的にひたひたになるくらい。
お米は研いだものを一緒に入れちゃいます。あとはひたすら待つだけ。
ー 約15分後……
はいっ美味しいお手軽キャンプご飯の完成です!
めっちゃ良い匂いがする……。
自作したスプーンでいただきます! こうやってなるべく食器も自作できると、あとで自然に還せるのが良いですね。
そうなんです。今回は鍋を持参しましたが、お皿なども木で自作できてしまえば、洗剤で洗う必要がありません。少量の水を使い、スギやヒノキの葉でごしごし拭き取れば良いのでエコですよ!
そのあとは焚き火にかざして乾かしてあげれば、殺菌もできちゃいます。
ブッシュクラフト、奥が深い。
ほかにもさまざまな調理方法があるので、ぜひ調べてみてくださいね。
超アウトドア派のインドアなライター。
1989年横浜生まれ。旅するフリーランス。ふわふわ漂いながら、「旅x仕事」の新しい働き方の提案・実践しています。自然が好きな超インドア派。いつか沖縄のムーンライトマラソンに出るのが夢なので、今年はこっそりランニングをはじめたい。